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シリーズコラム『保育士のお仕事~施設保育士の活躍~』

第2回「施設保育士の活躍」

「ここに来たときにはまだ幼児さんだったのに、すっかり大人っぽくなって…」

「先生、まだおったん!」

 

 卒園した子どもたちが久しぶりに児童養護施設(以下、施設と略)に戻ったときの保育士とのやりとりです。

「保育士」というと、保育園で幼児さんと一緒に遊んだり、お絵かきをしている姿をイメージする人が多いかもしれません。しかし、それは保育士の働く職場の一部でしかありません。

 ほとんどの「児童福祉法に定める児童福祉施設」には、保育士が配置されることになっていますので、保育士の資格を取得し登録すれば、さまざまな児童福祉施設で力を発揮することができます。その「児童福祉法に定める児童福祉施設」にはどのような施設があるのかは、前回のコラムでお話したとおりですが、今回は、そのなかの1つである、「児童養護施設で働くこと」についてお話ししましょう。

 児童養護施設は、幼児さん(事情によっては、乳児さんから入所できるように法律が変わりました)から高校生まで、保護者がいない、あるいは虐待などによって家庭で養護を受けられない子どもが入所する児童福祉施設で、幅広い年齢の子どもたちが暮らしています。短期間で施設を出る子どもはむしろ少数で、幼児期から10数年施設で暮らしている子どもたちも珍しくありません。

 保育所と施設の大きな違いは、子どもたちにとって、保育士は「家族」、施設は「家」に代る生活の場だということです。ですから、社会に出てから施設を訪ね、懐かしい昔話をしたり、自分なりの生活基盤ができて、報告がてら古巣を訪れる子どもたちも少なくありません。

 そんなとき、ある施設保育士は「困ったこともあったけど、ちゃんと育ってくれてありがとう」と子どもを誇らしく思う気持ちとともに、自分と過ごした何年間を子どもと一緒に振り返ることができる喜びを感じるそうです。

 施設を初めて訪れた人たちの多くが、「明るい雰囲気」に驚きます。しかし、ここで暮らす子どもたちの多くが、親と別れて暮らすことの痛みを抱えながら生きていて、その痛みゆえに、人を困らせるような行動をとったり、自分を傷つけたりする子どもたちがいること等々が、子どもたちとの信頼関係のなかで見えてきます。

 私たちは、たびたびボランティアとして施設を訪れ、子どもたちと遊んだり、勉強を見たり、夏にはキャンプ、秋には芋ほりなどを行いながら、子どもたちからいろんなことを学びます。昨年度、保育学専攻に入学した広島県外出身のAさんは、施設保育士になることを目指して、保育と福祉を学べる本学まで、遠路はるばる転居してきました。

 そのAさんは、「子どもたちを励ましたいと思っていたけど、逆に子どもたちから、しっかりしろって励まされてる気がする」と言います。施設保育士の多くが、「本当に奥の深い、責任のある仕事」と話すのは、子どもたちの近くに居続けて、苦楽を共にすることによって得られる充実感がもたらす実感なのでしょう。

 

 「自己中心的」などと世間から言われることの多い若者ですが、東日本大震災や広島市の土砂災害にいち早く駆けつけた高校生・大学生の姿は、若者に対する見方を変えつつあります。

 「人の役に立ちたい」と思っている高校生は今の世の中に実はたくさんいるのです。

  広島国際大学の保育学専攻は、そんな温かいハートを持った高校生を心から歓迎します。

 

医療福祉学部 下西 さや子

 

最終更新日:2014年10月7日