2015年11月04日

第18回健康科学講座「味噌の底力」を開催しました

10月24日(土)、呉キャンパスで薬学部主催の第18回健康科学講座「味噌の底力」を開催しました。
実験病理学と放射線生物学を専門に放射線とがんについて研究を進め、
実験に基づいた味噌の健康効果を解明してきた広島大学名誉教授の渡邊敦光先生を講師にお招きし、
82人の来場者が熱心に聞き入りました。

事前に43人から申し込み

超高齢社会を迎えた今、いかに健康寿命を延ばせるかが日本の大きな課題となっています。
そのカギは日々の食生活にある、と渡邊先生は言います。
戦後まもなく、アメリカによる大々的な小麦促進政策により日本人の食生活は急速に欧米化し、
パンや麺類に代表される粉食が浸透しました。
一方で、日本人の各種がん死亡率は戦後、年々上昇を続けており、
渡邊先生は、日本人が早く日本食に戻るべきだと考えています。

渡邊先生がマウスに放射線を用いて実験を行ったところ、
味噌には放射線への防御作用があることが判明しました。
事実、味噌汁を食べ続けて原爆症を免れたという証言が、多くあると言います。
さらに、他国より塩分を多く摂る日本人は血圧が低いというデータもあり、
よく危惧される味噌汁を食べ過ぎると高血圧になるという話は、
必ずしも正しくないと、渡邊先生は指摘します。

渡邊先生は、
「味噌をはじめ和食中心だったかつての食生活を取り戻せば、
日本人のがん発症率を低下させられるでしょう」
と、食生活の大切さを説きました。

健康な食生活が基本と、渡邊先生

味噌の意外な効能や間違った認識に、来場者は時に声を上げながら感心していました。
薬学部ではこれからも、一般の皆さまに関心の高いテーマを取り上げてまいります。

広島国際大学 薬学部