2016年07月19日

5万本のベニバナ彩る自然園で「呉藍祭り」開催

7月2日と3日、呉キャンパスの生涯学習自然園で、
ベニバナなどの薬草を見て、染めて、学ぶ「呉藍祭り」を開催しました。

ベニバナは藍に次ぐ染料植物として、中国三国時代(2~3世紀)の「呉(ご)」から伝来したことに由来し、
別名「呉藍(くれのあい)」と呼ばれています。
その名にちなみ「呉藍で呉を盛り上げよう」と、
自然園園長の神田博史教授(医療栄養学科)が3年前からベニバナの栽培に取り組んでいます。
毎年満開になるこの時期に、観賞会や染物体験を開催するなど地域住民に親しまれてきました。

5万本のベニバナが咲く今年は、自然園で染物体験や観察会を実施したほか、
専門家を招いて、薬草やベニバナへの知識を深める講演会を開催しました。

自然園で両日実施した染物体験には、各30人の地域住民が参加。
ベニバナを使ったスカーフ染めに挑戦しました。
色素を溶かした水に浸ける時間によって濃淡を出したり、
スカーフを絞ることで布への水の入り具合を調節したりして、
参加者は世界に1つ、自分だけのオリジナルスカーフ作りを楽しみました。

スカーフを絞ってオリジナル作品を

風になびく鮮やかな彩り

2日には専門家による講演会を開催。
国内外における薬草市場の概況や栽培に関する先進事例、
ベニバナを中心とした日本の染物文化の歴史など、
約100人の参加者が薬草への知識を深めました。
講演会終了後には、これまで回を重ねてきた鑑賞会や染物体験に参加したことをきっかけに
自然園の管理や本イベントの運営を手伝っている地域住民や薬学部の学生たちによる、
ベニバナなどで染めたシャツやスカーフを身にまとってのファッションショーを実施。
照れながらもポーズを決めるたびに拍手や歓声が起こっていました。

専門家が講演。写真はミャンマーの事例紹介

会場を沸かせたファッションショー

3日は、講演した専門家が解説する薬草観察会を行いました。
薬草として使われる部位や効能などの説明だけでなく、
「マジックテープの原理も植物がヒントになっているように、
植物から着想を得て製品が開発されるなどの研究も進んでいます」
といった豆情報も。
参加者は一つひとつの薬草に目を近づけ匂いをかいだりしながら、
専門家へ質問を投げ掛けるなど関心を寄せていました。

専門家の解説には豆情報がいっぱい

染物体験参加者に解説する神田教授

今回のような市民参加型イベントを通して地域に開かれた大学を目指す本学では、
これからも自然園発「呉藍祭り」が、「呉」を盛り上げていきます。

5万本のベニバナが満開の自然園

広報室