2012年09月10日

心理科学部教員の講師による中高教員対象の教員免許状更新講習を開催しました。

8月22日から24日まで、呉キャンパスで、
中学校・高等学校の先生を対象とした教員免許状更新講習が開催されました。

学校現場で「最近の生徒は違う」、
「わからない」といった声が聞かれることもありますが、
本講習ではそうした生徒たちと向き合い、理解し、支援してゆくために、
心理科学部教員が講師となり、主に心理学を土台に多くの視点から、講習を開催し、
28名のご参加がありました。

1日目は、「保護者と向き合うために」というテーマで、行いました。
大瀧友織講師より、家族社会学の視点から、
「家族の変化と親子のかかわり -調査データからみた実際-」

河本肇教授より、長年のスクールカウンセラーの経験も踏まえ、
「保護者と向き合うために -保護者理解、保護者対応-」

森本修充教授より、精神科医として関わった事例をもとに、
「精神科医が出会う思春期・青年期の子どもたち -精神科臨床の現場からの報告-」
と題した講習が実施されました。

 

2日目は、「ゆらぐ発達・障害の理解」というテーマで行い、
鹿嶌達哉准教授より、発達心理学の視点から、
「青年期の発達をとらえる視点 -発達心理学の理論と青年の体験を結ぶ-」

工藤晋平講師より、非行や犯罪経験を抱えた方の臨床・実践活動をもとに、
「ゆらぐ発達・障害の理解 -安心・安全の観点から-」

伊藤啓介准教授より、ご専門である発達障害について、
「発達障害の理解と対応 -発達障害の特徴とその特徴を踏まえた対応について-」

中村朋子教授より、英語学習者の教育・支援活動をもとに、
「日本語(L1)と外国語(L2)の読み書き支援」
と題した講習が実施されました。

 

 

3日目は、「子どもの生活とコミュニケーションを考える」というテーマで、
田中秀樹教授より、豊富な研究データと実践をもとに、
「ライフスタイル、睡眠、ストレス」・「睡眠教育、指導の実践」

鈴木佳奈講師より、ロールプレイなども交えた
「日常会話からの人の「心の動き」を読む -教員と生徒とのコミュニケーションのあり方を考える-」
と題した講習が実施されました。

 

中高生に日々向き合っている先生方が対象ということもあり、
どの講師も、自身の専門的知識をもとに、「こういう事態を、こう理解したらよい」、
「こんな時の対応の基本は、・・・で、何故なら・・・」といったように、
現場に活用できるお話や例を豊富に取りあげていました。

講師の話に、大きくうなづいたり、
メモを熱心に取る先生方の様子が印象的でした。

講習スタッフも聴講しましたが、内容が濃く、
知的好奇心が湧いてくるお話が全時間にありました。

講習終了後、受講された先生より、
「3日間、非常に勉強になりました」「また、お話を聴いてみたいです!」
という嬉しいお言葉を頂戴しました。

講習に参加された先生方におかれましては、
日々の教育活動でご活用いただければ、幸いです。

心理科学部教員免許状更新講習ワーキンググループ:中嶋みどり(臨床心理学科 助教)