2012年10月02日

臨床工学科の初の海外研修としてロマリンダ大学でいっぱい学びました!

このたび臨床工学専攻4名と臨床検査学専攻2名の学生、
そして三宅美鈴教授と私(速水)の8名で、
アメリカ合衆国カリフォルニア州にあるロマリンダ大学を中心に10日間の研修に行ってまいりました。
ロマリンダ大学では英語で医学知識や医療技術を学び、
ホームステイと観光を通してアメリカを体感することで日本人としてのアイデンティティーを見つめ直して、
元気に日本へ帰ってきました。

【9月10日(月)】
全員が福岡空港国際線に集合し厳重なセキュリティチェックと出国審査を通過して定刻通りに出発しました。
台北で乗り継ぎロサンゼルス空港に到着すると、
現地コーディネーターに大型バンで歓迎していただき、
名物のラッシュアワーのフリーウェイを走ってロマリンダに到着しました。
打ち合わせを兼ねてピザパーティーをした後、
参加者はそれぞれのホームステイ先に移動しました。

 

【9月11日(火)】
午前中はロマリンダ大学で公衆衛生学の教授から講義を受けました。
アメリカの医療技術進歩と保険に関する内容でしたが、
経済面から公衆衛生を捉える考えはアメリカらしいと感じました。
ロビーの壁には松葉杖をアートにしてあり日本ではなかなかできない発想だと思いました。

 

午後はロマリンダ消防局で行われたアメリカ同時多発テロの記念式典に参加することができました。
世界貿易センタービルの瓦礫の一部がモニュメントとして設置されており、
思わずヒロシマの原爆ドームの悲惨さが浮かびました。
それでも夕食には南カリフォルニアらしくメキシコ料理をおいしく味わいました。

 

【9月12日(水)】
午前中は緑の芝生に覆われた大学キャンパスツアーをして大学病院の臨床工学部門を訪問し、
病院で実際に使用される人工呼吸器や新生児保育器などの医療機器の保守管理の様子を見学しました。

 

午後は退役軍人病院の微生物学部門で細菌や真菌の培養と同定や遺伝子診断の説明を受けました。
その後に卸売りのコストコでの大型カートによるアメリカらしい買い物を体験しました。

【9月13日(木)】
午前は細胞検査士の資格を取得できる細胞診部門で、
主任教員に肺ガンやアスペルギルス症などの臨床例を教示していただきました。

午後は臨床検査学の学部長の案内で生化学実習のハイテク授業風景を見学しました。
夕方から学生と付添教員がホストファミリーのために和風カレーを作りプールサイドパーティーを楽しみました。
連日40℃を超える暑さが続いており、学生は大喜びでホストの飼い犬と泳いでいました。

 

【9月14日(金)】
午前は全学の医療系学生を対象にしたシミュレーションセンターを見学しました。
精巧なマネキンや模擬患者を使って本物に近い救急車内、
集中治療室、手術室でのトレーニングをモニタールームから制御できる施設です。

 

午後は砂漠の中に作られた街パームスプリングスの風力発電やカバゾンのアウトレットモールでのショッピングを体験しました。

9月15日から17日の3日間は、
サンディエゴ、アナハイム、ロサンゼルスの観光を通してアメリカの戦争の歴史とその中での日米関係を学び、
学生は元祖ディズニーランドなどのアメリカ文化を堪能しました。
その後、ホストファミリーや現地コーディネーターとの間でプレゼント交換と涙のお別れをして、
日付変更線を超え9月19日に全員が元気に帰国いたしました。

 

バーチャルがはやりの時代ですが、
学生にとってはやはり「百聞は一見にしかず」であり、
数々の貴重なナマの体験に「まだ日本に帰りたくない」という声が上がっていました。
引率した私にとっても大学が今後進めるべき「真の国際化教育」の方向性を考える大変良い機会となりました。
この旅は私に、本当の「国際化」の目的は「体験を通して自分を知ること」である、
というインスピレーションを与えてくれたと思います。
ご尽力いただいた多くの皆様に心より感謝いたします。

保健医療学部 臨床工学科 教授 速水啓介