2014年02月03日

東広島市長が来学され、ご講演くださいました!!

1月15日(水)、藏田義雄東広島市長に来学いただき、
「東広島市における保健・医療・福祉の現状と将来構想」というテーマのもと、
医療福祉学部の2、3年生を対象に講演をしていただきました。

この講演会は、「社会福祉援助技術現場実習指導」という授業の一環として実施しました。
以前蔵田市長が、「学生の声を東広島市の将来に活かしたい」と考えておられることを伝え聞き、
昨年11月中旬に、医療福祉学部の4年生、2年生の計7名とともに東広島市長を表敬訪問しました。
その折に、市長より「大学で講演をしても良い」というご提案をいただきましたので、
このたび開催に至りました。

講演は講話に50分、学生との質疑応答に40分時間を取って下さり、計1時間半にも及びました。

 

講演内容は、東広島市が現在取り組んでいる事業が中心で、
「大型プロジェクト」「子育て」「健康増進・介護予防・高齢者の在宅生活支援」
「医療・災害時要援護者非難支援」の4つに大きく分かれており、

①「大型プロジェクト」
西条駅の高架工事、市民ホールの建設、東広島医療センター近くの寺家に新駅設置、
東広島・呉道路の開通に向けた工事等、インフラ整備が着々と進められていること

②「子育て」
東広島医療センター内への周産期母子医療センターの設置により
妊娠から出産後までの産科・小児科が連携を取りながらシームレス医療を受け持つ体制を整えていること、
パパママ学級、生後4か月までの乳児家庭を全戸訪問するこんにちは赤ちゃん事業、
47小学校区の内、46小学校区に開設されているいきいきこどもクラブ(学童保育)

③「健康増進・介護予防・高齢者の在宅生活支援」
高齢者の方の健康増進ならびに高齢者介護の悩みについて相談にのる高齢者相談センター、
増加している認知症者への対応や家族関係者がピアサポートする理解促進イベントや関係者の集いを開催していること

④「医療・災害時要援護者非難支援」
東広島医療センターへのヘリポート設置、
山陽道の西条・志和インター間に緊急車両が医療センターに早く到着できるように緊急車両用出口設置、
災害時のみならず平時から地域で要援護者の方に目を向けて支援を行う、
災害時要援護者非難支援プランなどが紹介されました。

また、3人の学生から、
「医療センター以外に大きな医療機関がないため、安心して生活を送ることに不安があるが、
将来的に何か構想をお持ちですか?」
「高齢化率が高い町村に限らず、たとえば子どもたちと高齢者の施設が同じ敷地内にあるとか、
日常的に交流を持つことができるような施設の設置構想はありますか?」
「酒まつりは、主に大人が主役となっていると思われるが、それ以外に、
子どもから高齢者まで幅広く楽しめるような大きなイベントを企画し、毎年開催してはいかがでしょうか?」
といった意見・質問が出てきました。
いずれも、若い世代が東広島市に関心を向け、
移住することによって活性化を図ることができるのではないかという視点に立ったものでした。

これらに対して、“そこまで口にされていいのだろうか?”と思うほどに、
藏田市長は踏み込んだ回答をされており、
学生たちと真摯に対峙されていることが伝わるやりとりだと感じました。

今回の講演を聞かせていただき、東広島市として目指されているのは、
「自助、共助、公助」だけではなく、そこに「近助」を加えた地域住民の日々のつながりを重視し、
それを崩さない市政を進めようとされているように感じました。

最後に、
「東広島には広島国際大、広島大、近畿大そしてエリザベト音楽大の4つの大学があるので、
それぞれの大学に通う若いあなたたちがどんどん企画・提案をしてきてくれることを期待していますし、
待っています」
という言葉で締めくくられました。
今回のご講演は、「人と人とのつながりを強めることを中心に据え、
そのことが促進されるような形で市政やインフラ整備を進めていくことが大切である」という、
“人”の福祉を学ぶ学生たちにとっては非常に大きな視点を与えていただけたように思います。

公務ご多忙な中お越しくださり、本当にありがとうございました。

医療福祉学部長 吉川眞