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診療放射線学科の山本めぐみ助教が学術大会で“Bronze Award”を受賞!

2017年4月25日掲載

放射線技術の発展を目的に、公益財団法人日本放射線技術学会により年に1回行われる学術大会が4月13日~16日にかけて開催され、山本めぐみ助教(診療放射線学科)の研究発表がBronze Awardを受賞しました。同賞は、日本全国の診療放射線技師をはじめとした会員から寄せられた1,000件以上の研究のうち、優秀と評価された23件に与えられる栄誉です。


研究発表が表彰された山本助教

山本助教は、患者の体に負担がかからない冠動脈(心臓全体に酸素と栄養を供給する血管)の画像検査について、10年以上研究を続けています。

血管の画像検査はX線を使用して行われます。X線を体に照射すると、血管は透過されて画像に写らなくなるので、あらかじめX線の透過を妨ぐ造影剤を血管に注入します。これにより血管とそれ以外の部位にコントラストが生まれ、その画像を基に診断することができます。

しかし、このままでは画像に血管以外の臓器も写っており見えにくいため、通常はDSA(Digital Subtraction Angiography)という撮影法が用いられます。これは、造影剤注入後から注入前の画像を引き算することで、血管のみを浮かび上がらせるものです。

ただ、DSAは動きに対処できないという特性があり、絶えず動いている心臓では引き算がうまくいかず、画像処理後も血管以外の臓器が残ってしまいます。

そこで山本助教が注目したのが、人工知能の活用でした。注入前の画像を正解として覚えさせると、注入後の画像で臓器が動いていたとしても、自動で同じ臓器と判別し引き算してくれる人工知能を開発しました。DSAを用いて動きの多い心臓を撮影した場合でも、血管をクリアに見ることができます。

パソコンの画像は通常のDSA(左)と人工知能を活用したDSA(右)。その差は歴然

「DSAのメリットは、患者さんに副作用をもたらす造影剤の注入が少量で済むこと。人工知能による改良で冠動脈の検査に活用できる意義は大きい」

と、山本助教は話します。

臨床現場で活用するにはまだ、症例数を増やして人工知能の精度を高める必要があります。DSAが正式に心臓の画像検査に活用されるそのときまで、山本助教の研究は続きます。


広報室