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医療福祉学科の長谷部隆一准教授が広島県精神保健福祉協会から表彰

2018年8月7日掲載

6月25日、長谷部隆一准教授(医療福祉学科)が精神障害者を支援してきた活動を評価され、一般社団法人広島県精神保健福祉協会から表彰を受けました。

表彰状を手にする長谷部准教授

長谷部准教授は1988年から、広島県三原市の医療法人内の病院で初めてのPSW(精神保健福祉士、当時の名称は精神科ソーシャルワーカー)として、精神障害に苦しむ人たちやその家族の相談に応じてきました。当時、同市における精神障害者への理解は乏しく、支援・サービスも身体障害者や知的障害者と比べて充実したものではありませんでした。そこで長谷部准教授は、患者や家族のネットワークづくりを目的に病院家族会を設立。定例会議で情報を共有したり、要望を集約しました。市営バスの優待券が、身体・知的障害者に加えて精神障害者にも発行されるようになったのは、同会で出た要望がきっかけです。定期的な通所が必要となる中で、交通費は精神障害患者にも大きな負担になっていました。ほかにも、精神障害の知識を一般向けに啓発する講座を開くなど、地に足の着いた活動を続けてきました。

同市の精神障害者福祉にとって転機となったのが、1999年に策定された「障害者に関する第2次三原市長期行動計画」です。当初、同計画の対象は身体・知的障害者のみで、内容も簡易的なものでした。長谷部准教授はこの現状を知り、独自の調査を実施し、精神障害領域において福祉サービス充実のニーズが高いことを提示。その後、自身も同計画の策定委員会の一員としてかかわり、同市の障害者福祉政策において初めて、精神障害者対象の支援内容が盛り込まれることとなりました。

長谷部准教授は、同市最大のお祭り「三原やっさ祭り」を誰もが楽しめるイベントにすることを目指す「人にやさしい祭り委員会」にも参加するなど、その知見を生かして活動を続けています。今年は学科の精神保健福祉士を目指す学生も興味を持ち、お祭りのボランティアとしてかかわることを検討するなど、学内にもその輪が広がろうとしています。組織の枠を越えて課題解決に向かう長谷部准教授の精神は、授業やゼミ活動を通じて学生に影響を与えています。


広報室