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臨床工学専攻4年の2人が中四国臨床工学会で優秀賞・奨励賞をダブル受賞!

2018年10月25日掲載

9月29日に開催された「第8回中四国臨床工学会」の学生演題で、特に優れた発表が選出されるBest Presentation Award(BPA)6演題のうち、本学学生の発表が2番目の評価となる優秀賞、3番目の評価となる奨励賞を受賞しました。

表彰式にて。賞状を手にした桑原さん(前列右から2番目)と井上さん(同4番目)。

2人の指導をした武藏健裕講師(同6番目)にも記念品が贈呈されました

優秀賞を受賞したのは、桑原知優さん(臨床工学専攻4年)の「カフ上部吸引における体勢(体位・角度)と痰性状が吸引量へ及ぼす影響に関する基礎検討」です。桑原さんは人工呼吸器の使用により引き起こされるさまざまな合併症のうち、口腔内や鼻腔内から分泌された痰などが原因になる肺炎(VAP)に着目。体位(仰向け・横向き・うつぶせ)と上体を起こす角度(0°、30°、60°、90°)、痰の粘度(3種類)のあらゆる組み合わせを模擬的に設定して、人工呼吸器のカフ上部に空いた穴から最も効率よく痰を吸引する条件を調べました。

奨励賞を受賞したのは、井上翠さん(同4年)の「Nasal High Flow(NHF)における設定流量及び開口率の変化がCO2洗い流し効果に与える影響について」です。NHFは人工呼吸器と異なり、鼻から酸素を吸入する機器で、これにより患者は会話や食事をしながら酸素を摂り入れることができます。さらに本機器を使うメリットの一つが、CO2洗い流し効果です。通常呼吸時に、鼻腔内にどうしても一部残ってしまうCO2を、本機器の効果的な使用により完全に排出することができます。井上さんは、NHFを使った人工呼吸の仕組みを模擬的に作り出し、患者の開口率(0%、5%、10%、15%、20%、40%、60%)と酸素の設定流量(30l/m、40l/m、50l/m、60 l/m)の組み合わせを変えて、CO2洗い流し効果への影響を考察しました。

どちらの研究も当初、この機器にはいったいどんな効果があるのだろう?という素朴な疑問からスタートしました。研究を通して機器への理解が深まったのはもちろん、機器を使って患者に負担のない治療を行うためにはどうしたらよいのかを検証したことで、患者のQOLを重視するようになりました。

2人は今後も、患者のQOL向上を追求する臨床工学技士を目指して邁進します。


広報室