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臨床検査学専攻4年の近藤綾乃さんががん発症のメカニズムの一部を知る研究で学会の優秀発表賞を受賞!

2018年10月19日掲載

8月17日~19日にかけて開催された「第13回日本臨床検査学教育学会学術大会」の一般演題(学部セッション)において、近藤綾乃さん(臨床検査学専攻4年)の演題「Cullin-3ユビキチン複合体による膜型メタロプロテアーゼ制御機構解析」が、優秀発表賞を受賞しました。

近藤さんが着目したのは、がん細胞が増殖するメカニズムです。これは、細胞膜の上に突出したタンパク質(増殖因子)を、膜型メタロプロテアーゼという酵素が切断し、分泌された増殖因子がレセプターにはまることによってもたらされますが、この反応が特定の箇所で過剰に起こることが、がんの原因と考えられています。

彼女は、切断反応の原因特定を試みるべく、実験用のがん細胞を培養液で培養して、経過を観察しました。実験を続けた結果、Cullin-3ユビキチン複合体という物質が、切断反応をコントロールしていることを突き止めました。この物質の働きを調整できる新薬が開発されれば、がん治療の一助になる可能性があります。

もともと化学が得意だったこともあり、自分の勉強がやがて患者さんの治療に繋がれば、という思いから臨床検査技師を志した近藤さん。化学や生物学の視点から、基礎研究で医療の発展に貢献している中山寛尚講師の指導を受けながら、新しい分野に挑戦し、見事優秀発表賞に輝きました。

中山講師(写真奥)指導のもと、細胞を培養する近藤さん

今回の研究では、まだがん発症のメカニズムの一部が分かったに過ぎません。さらなる仕組みを解明すべく、彼女の挑戦は続きます。


広報室