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第1章 放射線、放射能(放射線物質)

 放射線」と「放射能」はよく似た言葉で同様の扱いをされることがあります。「放射線」と「放射能」を、焚火にたとえると、炎が「放射線」で、薪が「放射能」となり炎(放射線)を出す能力があるものです(図1.1)。薪が1秒間に燃える量がベクレル(Bq)と呼ばれる「放射能」の単位です。炎によって物が温められるのと同じように、「放射線」が物に与えるエネルギーの量を「吸収線量:グレイ(Gy)」という単位で表します。1Gyは1kgの物に1ジュール (J)の熱量を与えることを意味します(1Gy=1J/kg)。1Jは同じ熱量の単位では約0.24カロリー(cal)に相当します。水1gを1℃温めるために必要な熱量が1calですので、水1kgを1℃温めるためには1000cal必要です。つまり吸収線量:1Gy(=1J/kg)では、水1kgを 0.00024℃しか温めることができません。

 

放射線と放射能(広島国際大学)                  

 

色や温度が違う炎があり、物を温める力が異なるように、「放射線」にもいろいろな種類のものがあり(図1.2)、体に与える影響が異なります。そこで放射線の種類を考慮した係数(放射線荷重係数:表1.1)を吸収線量に掛けることにより、放射線の種類も考慮した単位の「等価線量:シーベルト(Sv)」となります。また同じ温める力でも温められる物によって温度の上がり方は異なります。体も同様に同じ放射線の量(等価線量)を被ばくしても、被ばくした部位によって影響が異なります。この部位ごとの感受性の違いを考慮した係数(組織荷重係数:表1.2)を等価線量に掛けることにより、健康への影響を評価した単位の「実効線量:シーベルト(Sv)」となります。

表1.1 放射線荷重係数

ガンマ線 1
エックス線 1
ベータ線 1
陽子線 5
中性子線 5~20
アルファ線 20
 

表1.2 組織荷重係数

生殖腺 0.08
赤色骨髄・結腸・肺・胃 0.12
膀胱 0.04
乳房 0.12
肝臓・食道・甲状腺 0.04
皮膚・骨表面・唾液腺・脳 0.01
残りの臓器

0.12

                                                                                                   (ICRP 2007年 勧告)

「放射線漏れ」や「放射能漏れ」という言葉を聞きますが、「放射能漏れ」は、炎(放射線)が出ている薪(放射性物質)が散らばって、いろいろな場所で炎(放射線)が出ている状態です。一方、「放射線漏れ」は、予定以外の場所から炎(放射線)が出ている状態です。蓋を被せることにより炎を防ぐことができますが、紙や木の蓋では燃えてしまうため蓋の材質を考えなければなりません。放射線の場合も同じで、蓋(遮へい)をすることができますが、放射線の種類によって適切な材質を選ぶ必要があります(図1.3)。また炎から離れると暖かさが減るのと同じように、距離を離れることにより被ばく線量を減らすことができます。

放射線の遮蔽方法

 

放射線被ばくの話 ページ一覧

 第1章 放射線、放射能(放射性物質)
 第2章 放射線の利用
 第3章 放射線の防護方法
 第4章 自然放射線被ばくと人工放射線被ばく
 第5章 医療放射線被ばく(外部被ばくおよび内部被ばく)
 第6章 放射線障害(確定的影響および確率的影響)
 第7章 胎児期の影響
 第8章 放射線の測定
 第9章 Q & A

 

最終更新日:2011年11月16日