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第4章 自然放射線被ばくと人工放射線被ばく

自然放射線は、地殻中または大気中に存在する放射性核種からの放射線、あるいは地球以外の遙か彼方から地上に飛来する宇宙線などです。自然放射線被ばくは、宇宙線や大地放射線など自然界による体外被ばくと食物・空気を通して体内に摂取される自然放射性核種からの放射線による体内被ばくがあります。世界中の人が自然放射線源から受ける一人当たりの平均放射線量は年間2.4ミリシ-ベルト(mSv)(体外被ばく0.87ミリシ-ベルト(mSv)、体内被ばく1.55ミリシ-ベルト(mSv))です。
体外被ばくは宇宙線0.39ミリシ-ベルト(mSv)、大地放射線0.48ミリシ-ベルト(mSv)で、体内被ばくはラドンなどの吸入によるものが1.26ミリシ-ベルト(mSv)、食物の摂取によるもの0.29ミリシ-ベルト(mSv)です。地殻中に存在する自然放射性核種は地球上の場所により異なり、そのため被ばく線量に地域差があり、世界の一部地域では、4~25倍も線量率が高いところがあります。自然放射線による人体の被ばく線量を図4.1に示します。

 

自然放射線による人体の被ばく線量(広島国際大学)

 

人工放射線源は、多くの種類がありますが、一般公衆の放射線被ばくについて、1.フォ-ルアウト(放射性降下物)、2.原子力発電、3.医療放射線、4.日常生活用品に分類されます。


(1)フォ-ルアウトは、1945年以来、今日までの多くの核実験で放射性核分裂生成物が大気圏内に放出され、時間の経過と共に地表あるいは海上に降下したものです。塵と共に浮遊している放射性核種の吸入摂取、および食物に含まれる放射性核種の経口摂取による体内被ばくと地表に付着したフォ-ルアウトからの体外被ばくあり、その線量は、一人当たり平均年間0.01ミリシ-ベルト(mSv)です。


(2)原子力発電所は、世界で400基以上設置され、原子力発電、核燃料サイクルで微量であるが放射性物質が一般環境に放出されています。これらによる公衆の被ばくは年間一人当たりの平均被ばく線量は、自然放射線による線量の1%程度です。


(3)医療放射線(診療用X線、放射線発生装置や診療用放射性同位元素からの放射線)は、診断、治療、核医学検査の分野で、今日まで人類の健康保持・向上に貢献しています。医療被ばくは、放射性医薬品を患者に投与する核医学診療を除き、体外被ばくがほとんどで、診療科目によって被ばく線量にかなり差があり、かつ線量の不均等分布が大きくなります(胸のX線集団検診1回0.05ミリシ-ベルト(mSv)、胸のX線CT検査1回6.9ミリシ-ベルト(mSv))。医療被ばくでは、各個人の被ばく線量の他に、集団線量としての寄与が重視されています。全世界では医療放射線による集団線量の寄与は、自然放射線による寄与に次いで大きくなります。


(4)日常生活用品の中に、放射性核種を取り入れた製品(夜光時計、蛍光灯グロ-放電管、煙感知器など)があります。これらの装置・器具による人体に対する被ばくは無視できるほど少なく、通常の使用状態では、問題が生じません。しかし、火災、地震などの事故、あるいは破損による適正な廃棄がされないと、環境汚染の心配があります。
自然界や医療機器から浴びる放射線を除き、一般の人が人工的に浴びる放射線量の限度は、放射線防護の専門家でつくる国際組織(ICRP)で平時の上限は一般の人で年間1ミリシ-ベルト(mSv)とし、原発事故などの緊急時には20~100ミリシ-ベルト(mSv)の範囲で対策をとるように勧告しています。身の回りの放射線被ばくを図4.2に示します。

 
身の回りの放射線被ばく(広島国際大学)

 

放射線被ばくの話 ページ一覧

 第1章 放射線、放射能(放射性物質)
 第2章 放射線の利用
 第3章 放射線の防護方法
 第4章 自然放射線被ばくと人工放射線被ばく
 第5章 医療放射線被ばく(外部被ばくおよび内部被ばく)
 第6章 放射線障害(確定的影響および確率的影響)
 第7章 胎児期の影響
 第8章 放射線の測定
 第9章 Q & A

最終更新日:2011年11月16日