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第5章 医療放射線被ばく(外部被ばくおよび内部被ばく)

放射線を使用した検査や治療は、正当化と言われる“被検者にとって病気の診断や治療などで得られる利益が放射線被ばくによる不利益よりも多いこと”を前提にして実施されます。長寿命化に貢献しているとも考えられますが、日本における医療放射線被ばくが諸外国と比較し多いことも事実(図5.1)ですので、正当化に関しては十分に議論することが必要です。

 

 

 

日本における医療放射線被ばく(広島国際大学)

 

医療放射線被ばくは、胸部X線検査やX線CT検査などのように体の外から放射線を照射して検査を行うことによる外部被ばくと核医学検査のように体内に放射性医薬品(放射性物質)を投与して検査を行うことによる内部被ばくに分けられます。


医療放射線被ばくに関しては、IAEA(国際原子力機関)や日本放射線技師会より各検査時の被ばく線量低減目標値(表5.1、5.2)が示されており、ほとんどの施設がこの線量以下での検査が行われています。また装置の管理や被ばく線量低減のための工夫を行うことで、さらに少ない線量となるように努力が行われています。

 

表5.1 外部被ばく線量低減目標値の一例

撮影部位IAEA日本放射線技師会
頭部(正面) 5 3
胸部(正面) 0.4 0.3
腹部(正面) 10 3
腰椎(正面) 10 5
骨盤(正面) 10 3
頭部CT 50 65
腹部(正面) 25 20

(単位 mGy)

 

表5.2 内部被ばく線量低減目標値の一例

撮影部位IAEA日本放射線技師会
骨シンチ(99mTc-HDMP) 8.3 8.3
心筋血流(201Tl-Chloride) 4.6-17 9-35
腫瘍シンチ(67Ga-Citrate) 21 14

(単位 mGy)

 

 

胎児に影響が現れるといわれている線量は、100ミリグレイ(mGy)以上と言われており、通常の検査でこの線量を超えることはありません。しかしX線透視下で血管内治療を行うIVR(インターベンショナル・ラジオロジー:Interventional Radiology)では、皮膚障害(図5.2)も報告されています。このような治療を行う上では、治療による利益が放射線被ばくによる不利益よりも多いこと、障害を生じる可能性があることを十分に説明した上で治療が行われています。

 

皮膚障害(広島国際大学)

 

医療放射線被ばくの線量は、「放射線」が物に与えるエネルギーの量として「吸収線量:グレイ(Gy)」という単位で表します。被ばくの影響を表す単位のシーベルト(Sv)で表すためには、放射線の種類を考慮した係数(放射線荷重係数:表5.3)を吸収線量に掛けることにより「等価線量:シーベルト(Sv)」となります。また被ばくした部位によって影響が異なりるため、部位ごとの感受性の違いを考慮した係数(組織荷重係数:表5.4)を等価線量に掛けることにより、健康への影響を評価した単位の「実効線量:シーベルト(Sv)」となります。

 

 

表5.3 放射線荷重係数

ガンマ線 1
エックス線 1
ベータ線 1
陽子線 5
中性子線 5~20
アルファ線 20
 

表5.4 組織荷重係数

生殖腺 0.08
赤色骨髄・結腸・肺・胃 0.12
膀胱 0.04
乳房 0.12
肝臓・食道・甲状腺 0.04
皮膚・骨表面・唾液腺・脳 0.01
残りの臓器

0.12

                                                                                                   (ICRP 2007年 勧告)

 

放射線被ばくの話 ページ一覧

 第1章 放射線、放射能(放射性物質)
 第2章 放射線の利用
 第3章 放射線の防護方法
 第4章 自然放射線被ばくと人工放射線被ばく
 第5章 医療放射線被ばく(外部被ばくおよび内部被ばく)
 第6章 放射線障害(確定的影響および確率的影響)
 第7章 胎児期の影響
 第8章 放射線の測定
 第9章 Q & A

最終更新日:2011年11月16日