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受験生と診療放射線技師の話:広島国際大学

第3章 診療放射線技師の仕事

診療放射線技師の業務は、医師または歯科医師の指示の下に、アルファ線、ベータ線、エックス線などの放射線を人体に照射することです。前述のように、人体に対する放射線の照射は、医師、歯科医師、診療放射線技師の免許を有しない者が行うことは法律で禁じられています。いわゆる業務独占制度となっています。これ以外にも、名称についても無資格者が使用することを禁じる、いわゆる名称独占の制度がとられています。業務独占に違反した者には1年以下の懲役若しくは50万円以下の罰金又はこれの併科に処せられます。名称独占に違反した者には30万円以下の罰金に処せられます。


実際の病院での診療放射線技師の仕事は、患者の診療だけではありません。さまざまな業務があり、業務は係員、主任、副診療放射線技師長、診療放射線技師長、医療技術部長など職階が上がって行くにつれてその役割と責任の大きさが違ってきます。

 

具体的な業務には、1)放射線診療業務、2)医療情報管理、3)放射線機器管理、4)放射線安全管理、5)放射線被ばく管理、5)医療安全管理、6)備品管理、7)病院経営、8)その他があります。

 

 

放射線診療業務

診療放射線技師が携わる画像検査には、一般X線撮影、断層撮影、乳房X線撮影、造影X線検査、回診X線撮影、血管造影検査、CT検査、MRI検査、歯科X線撮影、パノラマ撮影、骨塩定量検査、超音波検査、眼底検査があります。現在では、X線撮影やCT撮影などすべての画像はデジタル画像であり、撮影後にフィルムを暗室に持ち込んで現像するようなことはありません。撮影画像は病院内のネットワークに取り込まれ高精細モニターで観察されます。電子カルテにも貼り付けられます。画像分野だけでなく、核医学検査や放射線治療も、最新コンピュータ技術を用いた最先端医療が行われています。


核医学検査は、寿命の短い放射性物質を服用、または静脈注射によって体内の目的とする臓器に取り込ませ、体内から出てくる放射線を捕らえて画像化します。ガンマカメラ検査、スペクト検査、ペット検査や動態検査があります。


放射線治療は、手術や抗がん剤と同じようにがん医療に無くてはならぬ治療法です。肺がんのように体外から照射する体外照射法、子宮頸がんのように腔内に放射性物質を導いて入れる腔内照射法、舌がんのように組織に放射性物質を刺して治療する組織内照射、甲状腺がんのように放射性物質を服用させて治療する内用治療などさまざまな方法があります。

 

画像診断

  • ・一般X線撮影

発熱があった場合などに撮る胸部撮影、腹痛の原因を探るために撮る腹部撮影、交通外傷を受けた場合に撮る骨撮影などがよく知られており、最も多いX線検査です。大学を卒業して病院に就職した場合に真っ先に担当する仕事になります。

 

  • ・断層撮影
  • X線を用いて身体の部分的な断面像を撮影する検査です。過去に肺、骨、胆のうなどの検査によく使用されましたが、この装置を設置している病院は少なくなりました。現在は、CT検査やMRI検査に取って変わられています。

  •  

・乳房X線撮影

マンモグラフィと呼ばれ、現在、女性の乳がん検査で脚光を浴びています。触診でわからない乳房の腫瘤、石灰化、乳腺の微妙な変化を描出することができます。(図1.1、図1.2)

 

図1.1 乳房撮影装置 図1.2乳房写真
図1.1 乳房撮影装置 図1.2 乳房写真
・造影X線検査

デジタルX線TV装置などが用いられ、消化管検査、腎盂検査、胆のう造影検査、関節造影検査、気管支造影検査、脊髄腔造影検査、子宮卵管造影検査などさまざまな検査法があります。造影剤が用いられ、単純撮影では分からない臓器や病変を描出します。

 

・回診X線撮影

ポータブル撮影ともよばれ、病棟の重症患者や感染症の患者、集中治療室、手術場などで小型のX線撮影装置を移動して撮影します。

 
・血管造影検査

造影X線検査の一つです。一般的に、X線透視をしながら大腿動脈や肘動脈からカテーテルという管を病気のある部位に入れて行きます。血行の動きが把握でき、腫瘍性の病変や血管の病変を写し出します。また、抗がん剤や塞栓物質を注入したり、動脈硬化で細くなった血管を広げるなどの治療も行われおり、注目を浴びています(図2.1、図2.2)。

 

図2.1 血管造影装置 図2.2 冠状動脈の造影
図2.1 血管造影装置 図2.2 冠状動脈の造影
・CT検査

X線を用いて体の中の様子を画像化する検査です。検査用寝台に仰向けに寝ているだけで、体の輪切りの断層写真が得られ、診断に大変役立つ検査です。撮影画像はスライス状の断層画像ですが、ワークステーションを用いることでSFの世界で見られるような人体の三次元立体画像が得られます。(図3.1、図3.2)

 

図3.1 CT装置 図3.2 CT三次元再構成写真
図3.1 CT装置 図3.2 CT三次元再構成写真

 

・MRI検査

磁気共鳴断層撮影といい、強い磁石と特殊な電波の力により人体内部の構造を鮮明に見ることができる医用画像診断装置です。撮像の原理は違いますが、画像はCT断層像と良く似ています。磁石を用いていますから、手術などで体内に金属を埋め込んでいる人は検査を受けることができません。

 

・歯科X線撮影

歯の撮影を行います。小さなフィルムを口腔内に入れて、顔の外からX線を照射して撮影します。

 

・パノラマ撮影

歯科撮影の一種であり、歯の並びを全体的に展開した画像を描出します。歯、歯周組織、顎骨、顔面領域まで及ぶ広い範囲を撮影します。

 

・骨塩定量検査

X線を利用して腰椎や前腕骨を撮影し、X線が骨に吸収される割合から骨密度(カルシウム量)を測定し、骨粗しょう症等の診断をします。

 

・超音波検査

超音波プローブを体表面に当てる操作で、腹部や心臓内部、胎児などの動きや病変の異常がリアルタイムで観察できます。他のX線、CT、MRなどの画像診断に比べ、安全性が高く聴診器のように手軽に行えます。

 

・眼底検査

瞳孔を通じて眼底を観察する検査です。眼球内の網膜や視神経乳頭などを描出します。眼底の病気だけでなく、全身疾患の検査にも有用な検査です。

核医学検査

微量の放射性物質(放射性同位元素)を含む放射性医薬品を使って病気の有無を調べる検査法です。 放射性医薬品を注射したり、カプセルを飲むことで放射性物質が目的とする臓器や組織に集まり、専用のカメラを用いて画像として写すことができます。この画像から臓器の形や働きがどのようになっているかがわかります。

放射線治療

がんの治療として有力な治療法です。患者の治療に携われる医療従事者は医師と診療放射線技師だけです。放射線治療を行うためには、コンピュータ技術を用いた治療計画を行い、照射精度の検証を行いつつ照射します。医学と治療技術に基づく高度な専門知識が必要とされ、患者さんと1カ月以上も毎日接し、放射線メスを握り、患者の治療を行います(図4.1,図4.2)。

 

図4.1 がん放射線治療装置(リニアック) 図4.2 本大学でのリニアックの線量測定の様子
図4.1 がん放射線治療装置(リニアック) 図4.2 本大学でのリニアックの線量測定の様子

医療情報管理

病院では、診療録や画像が電子化され、診療報酬、検査依頼や電子カルテによる診療支援が行われています。画像保管システムや放射線情報システムを含む医療情報システムの構築に際し、企画、実務、そして安全管理を行います。

放射線機器管理

病院で使用される放射線機器は、医療の質を維持したり、患者の安全を確保するために定期的な保守点検が必要です。放射線機器ごとに品質保証プログラムの策定を行い、品質管理を実行しています。高度な専門知識と品質管理用の道具が必要になります。

放射線安全管理

放射線機器は、放射線安全管理を行うように法律で決められています。そのため、放射線機器が適切に使用されているかどうかを定期的に放射線測定して調べています。また、放射線機器を使用する場合は、国への届出や許可が必要です。そのため、放射線機器の安全使用のための申請書類を計算に基づいて作成します。

放射線被ばく管理

福島第一原発事故で分かるように放射線被ばくは、医療従事者や一般の方々に問題になりました。医療分野では、患者に最小の被ばく線量で最高品質の画像を得るようにすることが重要であり、検査による放射線被ばく線量が適切であるかどうかが評価されます。これは、診療放射線技師が行う重要な仕事の一つであり、これによって患者の放射線被ばく線量の低減が行われています。

医療安全管理

病院では、患者の医療安全を確保しなければなりません。医療安全に努めるだけでなく、その部署でセフィティマネージャーの役目を担ったり、委員会で事故防止対策を検討します。

備品管理

診療放射線機器や付属品は非常に高額です。診療放射線技師は物品管理者を併任し、管理にあたります。使用機器の備品管理だけでなく、耐用年数や収益などを調査し、機器の新規導入などを企画して行きます。フィルム、放射性医薬品、カテーテルなどの在庫品目を定期的に点検して、在庫統制を行います。

病院経営

病院では、質の高い医療が求められているのと同様に、経営目標と経営目的を明らかにして、その実現のために医療経営理念をもって目標達成に取り組んでいかなければなりません。診療に伴う収益性、経済性、生産性、成長性、公共性、公益性、社会性の観点から医療分析を行い、経営改善に貢献します。

その他

そのほか、教育研修への参加、地域医療を重視した社会貢献および連携交流、官産学の研究者との連携、学生および研修生の受入れと教育、付加価値につながる関連資格の取得などがあります。

世界放射線技師会の提唱

世界の80ケ国の診療放射線技師が加盟する世界放射線技師会(ISRRT)では、1993年9月に「診療放射線技師の役割」を提唱しました。内容は診療放射線技師の役割を明確に定め、医療チームの一員として診療放射線技師が担っている責任が明確にされています。また、専門職教育プログラムの作成と実行を促進し、診療放射線技師の一般的な役割および専門分野(放射線診断、放射線治療、核医学、超音波、デジタルイメージング、MRI)における役割が定義されています。ペイシェントケア、技術の利用、線量の最適化、臨床責任、品質保証・品質管理、教育・訓練などの技術分野以外についても明確に示されています。

病院が望む診療放射線技師像

診療放射線技師は、チーム医療の中で指導性、最新医療への対応、組織レベルでの対応、生涯教育・研修への参加、放射線安全管理の総合的指導、病院経営への参画など積極的に対応していかなければなりません。次に病院が求める診療放射線技師像を示します。

 

1.知と技と心の調和を持ち、チーム医療において専門分野の指導性を発揮できること。
2.新しい医学・医療の進歩と診療機能の変化に対応できること。
3.全国的な組織を利用した診療放射線学の研究ができること。
4.卒後教育、生涯教育に対する積極的な取組みができること。
5.第1種放射線取扱主任者資格などをもち、法令を準拠した放射線安全管理の教育と指導が行えること。
6.病院経営に参画できる能力を備えていること。
7.学士に加えて修士、博士の学位をめざし、さらなる高度専門知識を取得できること。

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最終更新日:2012年3月22日