Connecting the dots (点と点をつなぐ)

2016年05月10日

ゴールデンウィークも終わりましたが、皆さんはどのように過ごされましたか。私は旅行に行ったり、購入したままになっていた本を読んだりし、いいリフレッシュになりました。

ニュースを見ていると、37年前の1979年5月9日「日本PCの原点、PC-8001登場」という記事がありました。私は、当時大学の2年生でしたが、父に頼み込んで購入してもらった記憶があります。ディスプレーを含めると30万円近くしたPC-8001を購入してくれた両親に対して、今更ですが感謝、感謝です。さて、このPC-8001は、8色ですがカラーが扱え、160 × 100ドットの今にしてみれば超低解像度ですが、グラフィックもできるという当時としては画期的なものでした。機能的には今のスマホの千分の一以下の性能しかないものでしたが、あっという間に複雑な計算をしてくれて、感激したものです。

当時のパソコン雑誌にはゲームなど様々なプログラムのソースコード(PCの動作を言語的に表現したもの)が掲載されており、それを手で打ち込んでプログラムを動かし、少しずつ改変をするなどして、プログラミングの勉強をしました。少し遅れて、白黒ですが、グラフィックが扱えるプリンタが手頃な値段で、と言っても14万円位で発売され、こちらはアルバイトで稼いだ資金で購入しました。当時は、PCでもプリンタでも日本語は扱えませんでしたが、漢字を印刷したいと、ドット絵で私の名前を作って印刷したり、 ジュドポームというテニスの原型を楽しんでいる絵など様々な絵をトレーシングペーパーに写し取り数値化して、そのデータをPCに手入力して印刷したりしました。図を扱うため、高校生時代には何の役に立つのかわからなかった2進数や16進数も勉強し直しました。

その後PC-9801という少し性能の上がったPCが発売され、ビジネスの現場におけるPCの活用が本格化してきました。私は、大学を卒業後、医学部の生理学研究室の助手として、細胞で発生する電気信号についての研究をしてきましたが、学生時代のPCの知識が研究を進める上で多いに役立ちました。実験データの取り込みや解析、作図などさまざまなプログラムを自作し、生理学教室のPC化に貢献したと思っております。

このように、将来役に立つかどうかはわからないけども、興味のままに行った学習や、大きな決断が、後から振り返ると成功につながっていた、ということは多くの人が経験しています。話題になったところでは、Appleの創業者であるスティーブ・ジョブズによる2005年スタンフォード大学卒業式における有名なスピーチの「Stay Hungry, Stay Foolish」があります。そこでは大きく3つの話をしていますが、その最初の話が、「connecting the dots.(点と点をつなぐ)」というものです。点というのはさまざまな決断だったり勉強したりしたことで、これが後々の成功につながっていた、という話です。点と点がつながるかどかは後になってみないとわかりませんが、つながると信じてやるしかない、と述べています。まさに、その通りだと思います。

スティーブ・ジョブズは、プレゼンテーションの天才と言われており、また、紹介した スピーチは感動的なものですので、是非聞いてみて下さい。検索すると英文や日本訳の文章も出てきますが、YouTubeに日本語訳付きの動画もあるので、 肉声で聞くことをお勧めします。若い皆さん、特に学生さんには、役に立つ・立たない、という判断基準ではなく、いろいろなことに興味を持って一生懸命に取り組んで欲しいと思います。私も、まだまだ若いので、いろいろなことに挑戦して行きたいと思っています。