気になる?血糖値!

2018年06月28日

私は神経細胞や心筋細胞において細胞内外でのナトリウムイオン等の出入りを制御しているイオンチャネルの機能について研究をしてきました。このような生体の機能に関する学問を生理学と呼んでいます。現在は学部の授業は担当しておりませんが、学長就任前は主として生理学を担当していました。それに加えて、広島国際大学は健康・医療・福祉分野の大学ですので、研究ということではありませんが、個人的に生体の機能ということには興味をもっていろいろなことを試しています。最近、腕にセンサーを取り付けておくことで、採血することなく血糖値を15分毎に記録できるという測定器を購入しました。2週間測定しましたので、それについてご紹介します。ちなみにセンサーはきっちり2週間使え、装着したまま風呂に入っても大丈夫でした。私の場合、2週間経ってセンサーを剥がしたあとも、特に赤くなっているようなこともありませんでした。ちなみに、本システムで測定しているのは厳密に言うと血糖値ではなく、血管周囲の細胞と細胞の間にある組織液のグルコース濃度です。

測定結果の一部として、6月14日、15日、25日の朝5時から夜11時までの血糖値の変化をお示しします。上向きの矢印が食事をした時刻です。14日はごく一般的な勤務の日で、特に大きなストレスになるようなこともない日でした。朝食後に血糖値が上がっていますが、私の朝食は具たっぷりの味噌汁と、牛乳入り青汁、そしてコーヒーというのがいつものメニューで、この日もそうでした。昼食は、ゆで卵と鶏肉を主体とした弁当で、コメやパンは食べておりません。血糖値上昇はありますが、その程度はわずかです。夕食は餃子とご飯で、結構上昇していました。

15日は、少し早起きして大阪で開催されたNew Education Expoへ行きました。朝食を摂った時間が早かったので、朝食後の血糖値も前日に比べて早くから上昇しています。10時からのセミナーへ出席し、セミナー関係者の方々と昼食をとりましたが、丼ものでしたのでコメたっぷりです。その影響と思いますが、血糖値も大きく上昇しています。その後、何も食べていないのに一旦下がり始めた血糖値が、再び上昇してしまいました。 理由はわかりませんが、 主催者の方に「セミナーが面白すぎて血糖値が上昇しました」と言うと喜んでおられました。この日の夕食は18:30頃からでしたが、上昇して下がった後に再び上昇しています。夜に、甘いチョコレートを食べたり、砂糖入りのコーヒーを飲んだので、その影響で夜に血糖値が上昇したのではと思います。普段コーヒーには砂糖を入れないのですが、砂糖入り飲料は血糖値に効きますね。

25日についてですが、朝食と昼食は、14日とほぼ同じです。この日も朝食では上昇していますが、昼食では大きな上昇はありませんでした。午前中に少し血糖値が上昇していますが、検討を要する報告があったのでそれが影響しているのかも知れません。この日は、夕方から広島県を中心とした大学連携の組織である教育ネットワーク中国の社員総会が開催され、その後に賛助会員として教育ネットワーク中国を支えて頂いている多くの企業の方との情報交換会がありました。従って、夕食は情報交換会中に摂りましたが、糖質が多い料理は最後に出てきた小さなケーキだけだったと思います。ビールもそれなりには飲みましたが、思ったほど上昇しませんでした。同じテーブルの方に、血糖値を測定中ということをお話したのですが、皆さん興味津々で、測定器を手にとってメモされたり、会の途中で何度か「上昇しましたか」と聞かれたりしました。

学長就任後は卒業研究を担当していませんが、このシステムを使うといろいろと面白い研究ができそうです。栄養指導にもいいと思います。測定期間中に暴飲暴食するような機会がなかった点が、「研究もどき」としては少し物足りなかった所ですが、しばらくは血糖値を測定する予定がありませんので、試してみたい、という方がおられたら、測定器はお貸しします。センサーは買って頂かないといけませんが。