運動不足にeSports!

2020年01月29日

本学では、健康・医療・福祉分野の大学として、健康寿命の延伸に寄与するために様々な活動をしております。健康ということで頭に浮かぶキーワードの一つに運動があるのではないでしょうか。かくいう私も運動不足が顕著です。大学では基本的に立ったまま仕事をしてはおりますが、1日に1000歩も歩かない日が多くあります。そこで、昨年から今年にかけて私が取り組み始めたeSportsの要素もある運動についてご紹介します。

<VRゴーグルでeSports>

昨年11月からVRのゴーグルを使って体を動かすゲームをしています。一生懸命腕や体を動かすと結構息があがり「運動している」と感じるのですが、体重は一向に減りません。また、今年になって、家で雨漏りがする、ということで屋根に上がって、しゃがんだり立ち上がったりを繰り返しながら修理をしたのですが、降りてみると結構脚が疲れてるのを自覚しました。このゲームで、それなりに上半身の運動は出来ているかも知れませんが、下半身の運動にはほとんどなっていないようです。

<本物の自転車でeSports>

下半身の運動に何をするか、ということですが、私は結構体重もありますし、学生時代に痛めた右膝が今でも時々痛むので、膝の負担が少ないであろう自転車がいいのではないかと思いました。サイクリングロードや自然の中を走るのもいいのですが、雨が降ったり暗かったりすると走る気になりませんし、事故も心配です。そこで家の中でと考えるとエアロバイク・サイクリングマシンがありますが、ただペダルを漕ぐだけでは絶対に続かないという自信があります。そこで以前より気になっていた、本物の自転車を家の中に持ち込んで、車輪の回転をコンピュータに取り込み、架空のルートを走るゲームを試してみることにしました。本格的にやろうとすると、登り坂ではベダルが重たくなる制御装置が付いた高価な機械が必要なのですが、とりあえずは、自転車の後輪をローターに接触させて負荷をかけ、その後輪の回転をセンサーで検知してコンピュータに送るという簡易なシステムで始めました。自転車は近くのホームセンターで一番安い物を購入したので、全部で2万円程度の出費です。このシステムを導入した週末の2日間で、5回に分けて約60km走りました。張り切って約22km位のコースを50分以上続けて走った時には、汗だくとなりました。何百人という人が同じコースを走っていたと思いますが、私より遅い人はいるかいないか、という感じです。

<気になる体重は?>

前述のようにVRゴーグルの方は、購入当初は張り切って長目にやっていましたが、その頃の体重は減少していません。VR自転車の方は、導入した2日間で1kg位体重が減少しました。私は、毎日入浴前に体重を計測しているのですが、思いのほか体重の増減があるのでVR自転車の効果とは言い切れませんが、いい感じです。このままあと何kgか減少してくれるといいのですが。

<続けることができるか?>

運動は継続することが大切です。VRゴーグルを使ってのゲームは、ゴーグルを購入したのが昨年の11月ですが、今でも週に何度か、1回20分程度遊んでいます。その意味では続けることができていると思います。VR自転車は、導入した週末の2日間は「2万円投資した」という気持もあって頑張りました。週明けの月曜日は帰りが遅くなり出来ませんでしたが、自転車は家に置きっぱなしにしていますので、PCを立ち上げて自転車を漕ぐだけです。自転車を漕ぐ時の騒音はそれほど大きいわけではないので、平日でも夜遅くならなければ10分間程度の時間ならできるのではと思います。体重が減少するとか、減少した体重を維持できているとか、ゲーム性だけでなく成果も見えてくれば、しんどいですが続けていくことができると思います。

<一緒にスポーツ>

VRゴーグルでもVR自転車でも、気軽にできて、ゲームの要素があって、インターネットにつながっているので世界中の人の様子がわかったり、世界中の人と対戦できるのがいい所です。VRでの自転車走行では、リアルタイムに多くの人がゲームに参加しており、止まっている人がいたら「疲れたのかな、それともトイレかな」とか「また日本人に抜かれた」とか、一緒に走っている気分になります。どんどん抜かれていきますが、たまに同じ位の速度の人がいると、「しんどいけど頑張って○○さんについていってみよう」というような気にもなります。私はまだ経験していませんが、グループで一緒に走ったり、レースに参加したりということもできます。

<これからのスポーツ?>

日本ではスポーツは身体運動のように捉えられていました。今回紹介したVRゴーグルを使ったゲームやVR自転車走行はその意味でもスポーツと言っても違和感はないと思います。ただ、海外ではチェスや将棋をマインドスポーツと呼ぶこともあると聞きますし、最近では対戦型ビデオゲームをeSportsと呼んで競技大会が開催されるなど、スポーツの概念が変わりつつあります。私が運動不足解消に行っている2つのゲームは、身体運動でもあるし、対戦型ビデオゲームでもあります。昔からのスポーツでは基本的には同じ場所に集まらないと競うことができませんが、eSportsは必ずしも同じ場所に集まらなくてもできる可能性があります。技術の進歩で、今後このようなバーチャルな空間で行うことのできるスポーツが増えてくるのではないかと思います。そうなれば、国を超えてのスポーツ大会も容易になってくるでしょう。

私が今回ご紹介したeSportsを始めた主目的は運動不足の解消ですが、新しい技術の体験、ということも頭の隅にあります。VRやそれを利用したeSportsは新しい教育ツールとして大きな可能性を持っております。本学では、4月から健康スポーツ学部と健康科学部がスタートし、全学的に新しい教育課程による教育が始まります。このような新しい技術にも着目しながら、新たな時代へむけて教育・研究を展開していきたいと思います。