ぐるマルフェスタ・あいサポートフォーラム 2020ひがしひろしま

2020年10月01日

<「ぐるマルフェスタ」「あいサポートフォーラム」同時開催>

東広島市では、高齢になっても地域の中で安心して生活できるまち「ぐるっとマルごと東広島」(東広島版地域包括ケアシステム)を目指して活動されていますが、その取り組みの普及・啓発を目的としたイベント「ぐるマルフェスタ」が開催されています。「あいサポートフォーラム」は、障がいの有無にかかわらず誰もが暮らしやすい共生生活に向けた意識の醸成を図るためのイベントです。9月26日に、この2つのイベントが東広島市の芸術文化ホール「くらら」で合同開催されました。大ホールで開催された福祉講演会の様子は中国新聞にも掲載されましたので、ご覧になられた方も多いと思います。

<ダウン症の書家・金澤翔子さんのパフォーマンス>

東広島市、黒瀬高等学校、そして本学は協定を結び、連携して福祉分野の人材育成や「ぐるっとマルごと東広島」の普及・啓発に取り組んでおりますが、この協定に関連して「ぐるマルフェスタ」では、福祉講演会が開催されています。今年は、最初に、ダウン症の書家・金澤翔子さんが3mほどの横長の大きな紙に、「共に生きる」と書をしたためるパフォーマンスから始まりました。翔子さんが筆を運ぶ時に紙が動かないように、師匠でもあるお母様・泰子さんが紙を押さえておられたり、右端の「翔子」の署名の下に、篆刻印というのでしょうか、翔子さんと泰子さんの二人で体重をかけながら印を押されたりと、母子の二人で書きあげられたと感じました。後から、書かれた文字「共に生きる」を間近で見る機会がありましたが、書いておられる時のお二人の様子がまぶたに浮かんできて、なんとも言えない魅力がありました。

<お母様・泰子さんの講演>

翔子さんによるパフォーマンスの後に、お母様の泰子さんが、翔子さんがダウン症とわかった時、小学生の時に普通学級から特別支援学級へ移ることとなった時、高等学校を卒業して進路を選択する時、暗闇・絶望の中にいたけども、そこにも光があり、今は、本当にしあわせであるということをお話されました。ある程度の知識は持っておりますが、頑張ってこられた方から直接お話を聞くのは違いますね。観客席におられた方も、要所要所で頷きながら聞いておられました。本学の学生達に聞いてもらいたい内容です。

翔子さんは、両手をふりながら登場されたり、音楽にあわせてダンスを披露されたりと、本当に楽しそうで、私もしあわせな気持ちにしてもらえました。新型コロナウイルス感染症拡大のため、金澤さん母子は7ヶ月ぶりの外での仕事と言っておられましたが、この講演会で泰子さんのお話を聞くことができたこと、翔子さんの書やふるまいを見ることができたこと、本当によかったです。ちなみに、翔子さんが書かれた「共に生きる」は東広島市に設置されるということです。今後、鑑賞できる機会がありそうです。

<本学によるイベント>

ぐるマルフェスタ・あいサポートフォーラムでは、本学からも「広国市民大学」「しあわせ健康センター」の紹介や運動能力の測定・相談、義肢装具士養成の紹介をしました。多くの方にご来場頂き、ありがとうございました。安佐動物公園の後ろ足に障がいを持って生まれたキリン「はぐみ」のために装具を開発していることがテレビで報道されたこともあり、「義肢装具士を養成している学科があることを知りました」「頑張って下さい」と、私も市民の方々から声をかけていただきました。

これから寒くなり、新型コロナウイルス感染症とともにインフルエンザにも注意をしていかないといけませんが、このようなイベントを通しての交流や社会参加も大切だと思います。本学でも対面授業を増やしたり、課外活動や行事を再開したりしております。本学のキャンパスがある呉市でも新型コロナウイルス感染症がクラスターで発生しておりますので、気を緩めることなく、感染には十分に気をつけて活動を続けていきたいと思います。