「3つの密」を避けて後期授業開始

2020年09月25日

<後期授業が始まりました>

9月も下旬となり、後期授業が始まっている大学も増えてきました。本学では、学年別に9月18日から2日間に分けて後期ガイダンスを行い、24日から授業を始めています。前期は、オンライン授業を主体としつつ、実験・実習などで対面授業をしてきましたが、後期は、感染に注意しながら、対面授業を大幅に増やして、オンラインも併用して授業を行っていきます。キャンパスに同時に滞在する学生さんの数が多くならないように、当初予定していた時間割を変更しています。

<教室の二酸化炭素濃度測定>

対面授業では「3つの密」を避けることが必要です。「3つの密」のうちの「密集」「密接」に関しては、学生さん同士の間隔をあけたり、クラス分けをしたり等の対策をして授業を行っていきます。教室の「密閉」を避けるうえで重要なのが換気ですが、その指標としてよく用いられるのが二酸化炭素濃度です。

大気中の二酸化炭素濃度は400ppm程度ですが、人の呼気には4 %程度の約40,000 ppmの濃度となります。従って、教室内では人が呼吸すると二酸化炭素濃度が上昇していきますが、換気が良ければそれほど上昇しません。そこで、18日のガイダンスが行われた教室の二酸化炭素濃度を測定した結果を紹介します。測定には、市販の機械もありますが、今回は私が作製した二酸化炭素濃度モニターを使いました。安価なセンサー2種類を、ディスプレーもついた小さなコンピュータにつなぎました。インターネット上に様々な情報が公開されているので比較的簡単に作ることができました。2種類のセンサーによる値は多少異なりますが、同じ様な変化を示します。

<測定の結果は?>

グラフの矢印で示した時刻がガイダンスの時間です。ガイダンス開始前の322教室の二酸化炭素濃度は500ppm程度でしたが、13時からのガイダンスに向けて学生さんが集まるにつれ二酸化炭素濃度が上昇しています。ですが、二酸化炭素濃度は最も高い時でも700ppm程度で、平均して600ppm程度でした。その後、 14時から 231教室へ移動し、別学科のガイダンス中の二酸化炭素濃度を測定しました。こちらの教室でも前の教室と同様で、700ppm程度まで上昇した時間帯もありましたが、ほとんどの時間は600ppm程度でした。

<換気はいいのか、悪いのか?>

換気の指標として室内の二酸化炭素濃度に関しては、文部科学省の学校衛生管理マニュアルでは1,500ppm以下とすることが望ましいこと、厚生労働省の建築物環境衛生管理基準では1,000ppm以下とするように努めなくてはいけないことが記載されています。これらの基準値を考えても600ppm程度というのは非常によく換気ができているということになるでしょう。ちなみに通勤の自家用車内でも測定してみました。外気を取り込まずにいると二酸化炭素濃度は2,000ppmを超える値にもなりましたが、窓を開けなくても外気を取り込むモードにするだけで600ppmを切る値にまで下がりました。車も外気取り込みモードにしておけば、十分に換気できるようです。

<食堂>

食事中はマスクを外さざるを得ませんので、感染防止対策が特に求められます。そこで、本学では、職員さんに手作りでアクリルの衝立を作ってもらい、対面で食事をした場合でも感染リスクが低減するような対策をとっています。また、椅子を間引いていますので席数が減っており、食事をするまでの待ち時間が長くなりますから、弁当を持参・購入して、別室で食事をしていただくこともできるように、別途食事スペースも案内しています。

<参照:学内での食事について(お願い)>https://www.hirokoku-u.ac.jp/urgent_notice/2020/35364/47388.html

ガイダンス期間中は食堂も空いており、二酸化炭素濃度は600-700ppmという状況でした。授業が始まった初日は、12時半頃に測定をしました。ガイダンス期間中に比べればかなり混み合ってはいましたが、空席も多く学生さんも長居しないように、注意しておられるのだと思いました。二酸化炭素濃度もガイダンス期間中とほぼ同じでした。空席もなく、込み合うようなことがあれば、また測定してみたいと思います。

<どんどん活動しよう。でも感染には気をつけて。>

少しずつ新型コロナウイルスとの付き合い方もわかってきて、様々な活動が再開しています。政府によるGo Toキャンペーンも始まり、シルバーウイークの連休には広島でもかなりの人出となりました。寒くなってくるにつれてインフルエンザの同時流行にも気を付けなくてはいけない時期にもなりますし、気を抜いてはいけません。感染には十分注意して、様々な活動を進めていきましょう。大学でも、感染の心配が少なく、学生さんや教職員の皆さんが誰でも参加できるイベントとして「フォトコンテスト~ヒロコクでみつけたこんな〇〇〇~」を企画し、9月24日の後期授業開始に合わせて写真の募集を始めました。「フォトコンテスト」の次のイベントも、考えていきたいと思います。