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人の尊厳を守る言語聴覚士に

総合リハビリテーション学部/リハビリテーション学科 3年
柳井梨咲(やない・りさ)さん

※本記事は、学園広報誌「FLOW」No.87(2020.2.25発行)に掲載しています。

 

 

特別支援学校サポートのボランティアも

 

小さいころには看護師の母が勤める病院に行って時間を過ごすことが多かったという柳井さん。家では普段見せない母の働く姿に、「かっこいい」とあこがれの気持ちを抱きました。病院で働きたいと思うようになったのも自然な流れでした。医療職の中でも言語聴覚士を目指すようになったのは、「食べることが好きだったから」と笑います。物を食べる時の飲み込み(= 嚥下)に悩む人の機能回復をサポートするのも言語聴覚士の大きな仕事なのです。柳井さんは「4年間じっくりと自分のペースで学べそう」と広島国際大への進学を決めました。

言語聴覚士を目指すうえで貴重な経験となっているのが、ボランティアとして高校1年から始めた特別支援学校の生徒たちのサポートです。毎年8月6日の広島原爆の日に、原爆ドーム近くで平和を祈るキャンドルを灯して川面に浮かべるイベント「ピースキャンドル」で、障害がある幅広い年齢層の生徒たちと一緒にキャンドルの準備などをします。最初は生徒たちにどう接したらいいか戸惑った柳井さんでしたが、そのうち「一生懸命歩み寄ろうとしているのは、相手も同じ」と気付きました。今は言語聴覚療法の学びが生徒たちとのコミュニケーションでも役に立つはずと考えています。

柳井さんは、社会勉強のつもりで始めたアルバイト先のハンバーガー・チェーン店で、今では時間帯マネジャーの1人として、責任ある立場を任されています。外国人も多いスタッフをまとめるのは大変で、特にコミュニケーションに自分なりの気を配ります。その成果もあって、チェーン店全体の働きぶりコンテストの店舗代表に選ばれ、広島市内エリアのマネジャー部門で優勝するほどに。接客には大学での学びやボランティア経験も生きています。「目の不自由な人は、手を引くのではなくひじを持って案内した方が安心すると学んだので、お客さんにそのような方がいた場合は自然と体が動くようになりました」と話します。

「食べる・しゃべる・聞く、という人間の尊厳にかかわる機能を守るのが言語聴覚士」と言う柳井さん。「患者さんが少しでも多くの笑顔を取り戻すサポートができれば」。障害や苦痛を抱える人々に寄り添う姿勢がキラリ輝いています。