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  • 2018

災害に関するお知らせ

何より優先したのは学生の「安全」でした。

 

 この度の豪雨で主に被害を受けたのは、東広島キャンパスでした。広島県内で大雨特別警報が発表された7月6日の夜から7日未明にかけて、正門前にある前平山の斜面が崩れ、土砂が敷地内に流れ込みました。

 土砂は二方向から本学を襲いました。一つは敷地の東端から流れ込み、キャンパス内にある約700人が住む学生寮の近くに、約1メートルの高さで堆積。もう一つは敷地横の道路を土砂が通り抜け、大学北側の駐車場に積み重なりました。さらには、大学正面を通る県道が寸断。黒瀬川の周辺の田畑や人家が浸水しました。このほか、呉キャンパスでは断水が発生しました。

 こうした中で、大学が最優先したのは、学生の安全を確保することでした。6日はあらかじめ休講とした上で、正午過ぎには、自習やクラブ活動などで登校していた学生に帰宅指示を出しました。西日本各地に被害が広がり始めてからは、連絡システムを活用しながら教職員が手分けをして在学生一人一人の安否を確認。寮生には二次災害を防ぐため、部屋での待機指示を出しました。

 結果的に、本学の学生や教職員、本学へ避難してきた方々を含め、今回の災害による人的被害が全くなかったことは何よりでした。

 翌7日の朝からは、近隣地区に住む教職員が、大学周辺の道路が不通のため、裏道をたどりながらキャンパスに集まり、被災状況の確認や土砂の撤去に当たりました。寮生には学生食堂の食材で炊き出しを行い、備蓄していた食糧や物資も支給しました。

 同時に、大阪市にある常翔学園本部と連絡を取りながら、善後策を協議。3週間を目安にした一斉休講などの措置を決めました。

人と人とのつながりを実感した復旧作業

 

 学長として、とてもうれしく、ありがたく感じたのは、復旧のための活動や作業を多くの学生たちが手伝ってくれたことです。元消防士で、医療技術学科救急救命学専攻の教員の指示のもと、てきぱきと作業に携わる皆の姿は大変に頼もしく見えました。真夏の太陽が照り付ける中、皆の健康面に配慮しながら、作業を進めることができたのは、健康・医療・福祉の専門家が教員を努める本学の強みといえるかもしれません。

 その後、県道が通行再開されるなど、アクセスが改善されるとともに、作業に協力するが学生は1日数十人に及びました。さらに学生だけではなく地域の方々や卒業生などからもご支援いただきました。作業の合間には冗談や笑い声が飛び交うこともしばしばあり、学生たちの明るい笑顔に接すると、私たち教職員も大いに勇気付けられました。土砂撤去をはじめ、講義再開までの復旧作業中は、辛い期間ではありましたが、人と人とのつながりが大きな力となることを実感した貴重な時間でもありました。

 また、本学の復旧作業だけではなく、東広島市の社会福祉協議会を通じて、近隣の被災地でのボランティア活動に参加する学生や教員も日を追って増えました。

 3週間ほどで土砂は撤去され、7月31日からは講義を再開8月11日には、7月に実施を断念したオープンキャンパスも開催し、例年以上に多くの参加者が来場されて活気に包まれました。

 これも多くの皆さまからのご支援、ご協力のおかげです。厚く御礼申し上げます。

 しかしながら、依然として各地の復旧作業は続いておりますので、本学も微力ながら復旧に向けてお力になればと思っております。



被災の経験がもたらす新たな学び

 

 現在は、土砂災害防止に向けた新たな工事が計画されているものの、自然災害の発生を防ぐことはできません。しかし、災害が発生しても被害を最小限にくい止めることはできるはずです。そのためにこれから力を入れたいのは地域と連携した防災教育の強化です。災害時に取り組むべき行動を時系列でまとめる「マイ・タイムライン」の作成など、学生や地域の方々を対象とした実践的な教育プログラムの導入を考えています。

 災害に強いキャンパスづくりも課題の一つ。今回の土砂災害に関してはすでに専門家を招き、状況の詳細な分析を行なっております。できるだけ早期に、学内に雨量計と地下水位計を設置し、土砂災害の危険度を正確につかみ、分析データに基づいた迅速かつ確実な対応を実践できる体制を整えていく方針です。

 本学の卒業生の多くは、患者さんや高齢者といった「災害弱者」が利用される医療施設や福祉施設で働きます。また、高齢者のみの世帯もこれからますます増えてきます。日頃から、良い人間関係や連携体制を築いておかなければ、いざという時に助け合いながら行動することはできないでしょう。

 人に寄り添い、人のために行動する。そのような学生を育て、社会に送り続けることが本学の変わらぬ目標です。将来像は「ともにしあわせになる学び舎」。教育をより充実させ、学生も、教職員も、地域の人々も、ともに学び、皆が笑顔になれる大学であり続けられるよう、これからも尽力してまいります。