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診療放射線学科4年の大野愛莉さんと山本助教が学術大会で優秀演題賞を同時受賞!

2017年12月21日掲載

放射線技術の発展を目的に10月19日~21日に開催された、公益社団法人日本放射線技術学会主催の第45回秋季学術大会で、大野愛莉さん(診療放射線学科4年)と山本めぐみ助教(同学科)が優秀演題賞を同時受賞しました。現場の第一線で活躍する診療放射線技師や大学教員、大学生などの学会員から寄せられた505件の論文から選出された上位25件に同賞が贈られました。

賞状を手に喜びの表情を見せる山本助教(左)と大野さん

大野さんが注目したのは、マンモグラフィ検査による乳がんの早期発見・診断です。乳がんは一般的に初期の自覚症状が少なく、特に早期発見の必要性が叫ばれるがんの一つです。近年、乳がんと診断された腫瘤陰影の画像を人工知能に学習させて、マンモグラフィ画像による診断に活用する方法が注目を集めています。人工知能は画像から直接病変のパターンを学習でき、検出能が高いというデータも出始めています。しかし、人工知能の学習には数多くのデータが必要となり、膨大な数の学習画像の確保が大きな課題となっています。

そこで大野さんはまず、シミュレーションで模擬腫瘤陰影を作成。それを正常な乳房の画像に加算したところ、実際の腫瘤陰影に似た画像になることが分かりました。さまざまな大きさ・形を組み合わせた画像で学習させることで、より高い精度で画像を腫瘤の有無に分類することが可能になりました。この画像診断ソフトが将来実用化されれば、マンモグラフィの診断精度が向上し、乳がんの早期発見・治療に繋がります。

「研究を通して得た乳がんに関する知識を生かして、将来は病院で放射線の照射範囲など正確な治療計画を立てられる診療放射線技師を目指します」

と、大野さんは早くも先を見据えています。

実習室でマンモグラフィの装置を点検する大野さん

山本助教は、今年4月に開催された総会学術大会でのBronze Awardに続く受賞。人工知能を活用した冠動脈(心臓全体に酸素と栄養を供給する血管)の画像診断について発表した前回(2017年4月25日掲載記事参照)に続き、今回は頭部や腹部の血管にも範囲を拡げ、検証結果を発表しました。

「心臓だけでなく頭部や腹部も動きが激しく血管の鮮明な撮影は困難です。人工知能を活用し、より鮮明な画像を撮影することで、病気を正確に特定できます」

と、山本助教は研究の意味を述べました。

「他の部位にも範囲を拡げ血管の画像診断の精度を高める」と山本助教

より多くの人の命を救うため、2人の探求に終わりはありません。


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