教育×人 -リレー・エッセイ48-

relayessay_cms23

sp_vol23

学生の反応を注意深く観察、分析し、
その結果を元に次のステップをどうすべきか。

教授 倉本 充子

博士 (言語文化)

専門分野:応用言語学、英語教育、認知心理学

リーディングとリスニングの力を同時に伸ばしていく。

私は英語教育を担当しています。医療の最先端の情報の大部分は英語で発信されていますから、専門分野の知識と技量に加え、英語力を磨くことは、将来の職業選択の幅を広げることにもつながります。

授業では、医療分野の基礎的な専門用語を含む医療関係のニュース記事を中心にシャドーイングという方法で、リーディングとリスニングの力を同時に伸ばしていく指導法を行っています。モデルとなる英語母語話者による録音音声での発話とほぼ同時に、それをまねながら自分の声で再生していく方法です。この練習を繰り返すと、言葉の意味理解をする脳の作業に余裕をもたせることができます。言語の意味理解には、脳内の作動記憶が活躍しています。シャドーイングの反復練習を続けることで、記憶領域での外国語の音声認識に使う脳の負担を減らすことが可能になります。音声を自然に認識する力をつけ、英語を雑音ではなく、意味ある言葉として認識するように習慣づけるようにするのです。

ステップで、専門性の高い用語を習得。

また、学年を追うごとに専門性の高い内容に取り組むように教材内容を組み立てています。具体的には、1年生対象テキストではVOA Special Englishの記事から非英語母語話者に理解しやすいように語彙を絞られた記事の中から健康・医療に関するごく一般的な話題を教材として選び、2年生対象では、英語母語話者を対象としたVOA記事からより専門性の高い用語までを含む医療関係の話題を取り上げ、3年生以降では専門分野の論文のアブストラクトを取り入れるなどしています。さらに、学部の短期留学制度活用を希望する学生らに対しては、提携大学であるノースカロライナ大学(UNC)薬学部で扱っているUNC大学病院の臨床事例のケーススタディーを行っています。

教員は、授業を行い、学生の反応を注意深く観察し、その事実を分析し、その結果を元に次のステップをどうすべきかを考えるものです。授業を行うことで、自分自身を振り返り、さらなる磨きをかけるべきです。

薬剤師という職業を目指す人は、医師に対して薬剤に関する適切なアドバイスを与える立場であることを十分認識して、誇り高い意識と自信を養ってほしいと期待しています。そのためには、専門分野の知識・技量プラス英語力も磨いてほしい、そんな思いで教育に従事しています。

ページのトップへ戻る