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キャンパスボイス
核医学検査の質向上目指し
大学院/医療工学専攻博士前期課程 1年
橋本澪(はしもと・れい)さん
※本記事は、学園広報誌「FLOW」No.86(2019.11.25発行)に掲載しています。
今年4月、日本放射線技術学会主催の学術大会で、橋本さんは横浜みなとみらいホールに集まった数百人の聴衆を前に、同学会から勧められ英語による発表を行いました。もちろん、準備したパワーポイントの原稿もすべて英語です。研究が評価されての初めての学会発表でしたが、テーマは「ディープラーニングによる SPECT(ス ペクト)画像の超解像処理」。核医学検査の中の1つであるSPECT画像とは、放射線医薬品から放出される微量の放射線を体外の種々の方向から計測し、それを画像再構成して得られる放射線医薬品の分布の断層画像のことです。核医学検査は生体の機能や代謝を見るのに有効ですが、画像を鮮明にしようとすると放射線を増やさなければならず、患者の被ばく量が増えてしまうというジレンマがあります。被ばく量を抑えたうえで画質を落とさないようにするにはどうしたらよいか考え着目したのが、粗い画像を細かくきれいな画像にする超解像技術でした。「小さな星など天体観測の画像処理に使われるこの技術を、核医学検査に応用したことがこれまでになかったことで評価されたのだと思います」と話します。
超解像技術にはAIのディープラーニングが不可欠ですが、橋本さんは「コンピューターの知識はほとんど素人同然でした」と打ち明けます。プログラミングも一からの勉強でしたが、診療放射線学科大倉保彦教授による段階を踏んでの指導のおかげで、順調に習得。今は新たなプログラミングをしては動きを確認する試行錯誤の繰り返しです。「プログラムがやっと動いた時は、本当にすっきりします」。画像鮮明化を模索する日々が続きます。
橋本さんはもともと卒業すれば診療放射線技師として就職しようと考えていました。しかし、4年生の病院実習で、「就職するとなかなか研究の時間を取れそうにない」と感じたと言います。「それなら就職するまでに一度、じっくり研究に取り組んでみよう」と大学院進学を決めました。将来は核医学検査の技術や知識を生かせる大規模病院への就職を目指します。
「この研究が実を結べば、核医学検査の重要性がもっと高まり、多くの患者さんの助けになるはず」と確信する橋本さん。忍耐強く研究を続ける覚悟がキラリ輝いています。