広島国際大学 専門職大学院

心理科学研究科 実践臨床心理学専攻

Expert -心の声を聴くひと-

2011年度修了生 土井田 祐介さん ひととひとをつなぐ仕事にやりがい。悩みを抱える児童の悩みを一つでも多く解決するために、自己研鑽を忘れない。

複雑化する児童の悩みを解決する

現在の職場では、家庭に悩みを抱える2歳~18歳までの児童を一時的に預かり、児童が生活しやすいように支援を行っています。児童の中には、日課を守ることやグループで生活していくのが苦手な児童もいます。児童と一緒に目標を設定し、達成できるように支援を行うことは大きなやりがいです。ただし、一方で、児童が戻る「家庭」のケアの重要性も感じています。家族を含めた相談援助に対応できるよう、より多くの業務経験を積んでいかなければいけません。

大学院で積んだ「実践」経験が
「今」に活きている

仕事を通して実感していることは、より多くの経験値を積むことの大切さです。臨床心理士の資格を取得することは欠かせませんが、現場で働く上で、経験が多いことは損になりません。大学院では、心理学の知識に加え、3領域(医療・福祉・教育)での実習、心理臨床センターでの相談業務など、複数のケースを担当しました。医療・福祉分野では、医師や看護師をはじめとする医療・福祉職、教育分野では、教員というように関わる人は多様ですが、これらの領域は全て繋がりがあります。領域ごとの問題解決へのアプローチを知ることができる学びの深さと視野の広がりを持てた大学院での経験は、今の自分に大きく役立っています。

臨床心理士として、成長し続けるために

今は、臨床心理士として、もっと成長したいという想いが強いです。広島県の心理職は、保健・教育分野に関する施設も有しており、一つでも多くの悩みを解決するために、多くの経験を積んでいきたいと考えています。臨床心理士が活動する領域は、多岐に渡り、活躍できる場は多くあります。その分、学ばなければならないことも多く、日々の研鑽が必要だと実感しています。多くの人と出逢い、その中から経験を積む。大学院を目指される皆様といつか「現場」でお会いできることを楽しみにしています。

2012年度修了生 檜山 美希さん “目には見えない心をケアする仕事”相手の想いを大切にし、心が軽くなったと感じてもらえるよう真摯に向き合う日々

目には見えない心の悩みを解決したい

高校在学中に、臨床心理士の方からお話を伺い、目には見えない心の悩みを、解決できる仕事に興味を持ちました。現在、勤務しているクリニックを受診されている患者様の相談内容は、全く同じものはなく、生い立ちや、周囲の環境、人間関係など様々です。悩みを打ち明けてくださるその背景に思いをはせながら、それぞれの方と正面に向き合い、お話をさせていただいています。

大学院で得た幅広い
知識と心理士としての心構え

仕事を通して振り返ると、大学院で経験した「実践」の場が多かったことが、本当に役立っています。3領域(医療・福祉・教育)の現場で、心理臨床センターなど幅広い分野での実習を通して、一つのことを考えるにもより多くの視点から、柔軟な考えを持てるようになりました。先生方も色々な現場で経験を積んでおられ理論的立場や問題に対する考え方なども様々で、在学中に、実践を通して学べたことは、本当に良かったと実感しています。困った時や悩んだ時には、在学中の学びを振り返ることで自身の悩みを解決する糸口を見つけることもあります。

活躍の場を広げるため、
経験と知識をさらに積み重ねる

臨床心理士として、もっと経験と知識を積んでいきたいと考えています。目の前の患者様が何を考え、求めているのかを理解するために、近い目標として、一つの心理療法を深く勉強し、技術を習得したいと考えています。臨床心理士としての「基礎」をしっかりと作り上げ、悩みを解決するアプローチをより深めていきたいです。 “目には見えない心をケアする仕事”である臨床心理士。大学院では、常に成長を求め、自ら学ぶことを大切にしてもらえればと思います。

2015年度修了生 臨床心理士 黒川 和彰 さん かなたクリニック(東広島市)勤務

気付かなかった自分に気付くお手伝い。
それが、カウンセラーの役目。

現在、東広島市にあるクリニックに勤めています。街並みは新しく、移り住む人も増えている場所です。来院される方が多く、その病状や悩みも様々。うつ病、統合失調症などの精神疾患、不眠や対人不安といったこころの悩み、不適応、不登校、いじめといった子どもの相談。子どもから高齢者、そしてそのご家族と幅広い年齢の方がお越しになります。 いつも、クライアントさんと初めて向き合う時は、その人をありのままに受け入れ、必要な情報を見定める冷静な目を持つよう心掛けています。カウンセリングは、カウンセラーが答えを出すものではありません。クライアントさんがこれまで気付かなかった自分の想い、問題を解決に向けた自分なりの対処法を見つけるお手伝いをすることが役目だと考えています。

悩む人、悩まない人がいるのは、なぜ?

この仕事を目指したきっかけは、高校時代。友達と過ごしていた時、同じことでも悩む人と悩まない人がいる。その違いを不思議に感じました。性別や価値観、ストレスの感じ方。こころをもっと知りたい、こころのメカニズムを知りたい。そんな探求心から、心理学の道に進むことを決めました。大学で学ぶ内に、心の悩みや問題から健康に支障をきたしている人が、たくさんおられることを知り、臨床心理士を目指すことにしました。臨床心理士は、医師や看護師のような医療行為ができるわけではありません。しかし、クライアントさんと向き合い、目には見えない心を支え、前向きに進んでもらうサポートができます。

土台を築けた大学院。これからが自分らしさの積み上げ。

母校では、臨床経験豊かな先生方の指導を受けながら、キャンパス内にある心理臨床センターで実際にクライアントさんを担当していました。大学院での現場経験は、経験知を豊かにしてくれて、柔軟な対応力を養ってくれたように思います。また、一人として、ひとつとして同じケースはありません。いわば、オーダーメイドの時間をクライアントさんとともに、一つではない答えを導くために必要となる努力の大切さを教えてくれました。
まだまだ、自分には、まだ具体的なビジョンや目標がはっきりしていません。これからの学びや経験を通じて固めていくつもりです。ただ貫き通したい想いは固まっています。 「クライアントさんにしっかりと向き合っていく。」
この想いを大切にこれからも頑張っていきたいです。

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