めざす仕事

Career

看護師が活躍する舞台は広がり続けます。

 今までの看護師は、総合病院や専門病院、クリニックなどで仕事をするイメージだったと思います。しかし、現在は医療をとりまく環境が大きく変わり、それに伴って、看護師の役割は広がり続けています。
 本学では、学生がめざす仕事への適性を考え、アドバイスしながら、一人ひとりの希望にそった進路指導を行っています。そのため、病院だけでなく、地域医療を担う訪問看護ステーションや市町村の保健所・健康センターをはじめ、会社の健康管理室、福祉施設など、能力や経験に応じた様々なフィールドで活躍する卒業生も増えています。
 看護師とともに近年注目されているのは、保健師・助産師の役割です。保健師は疾病の予防や健康増進などの公衆衛生活動を行ないます。本学は学部の中で保健師国家試験受験資格が取得できます(選択制)。保健師資格取得後すぐ、保健師として就職する学生もいますが、資格取得後、看護師の臨床経験を経た上で保健師をめざす卒業生も増えています。
 助産師は、妊娠・出産・育児期を切れ目なく継続した支援ができる職種として注目されており、少子化の時代にあっても産婦人科医や出産施設の減少などにより需要が高い資格です。本学では助産師資格の取得を希望する学生に対応し、学部卒業後に受験できる一年間の専攻科を設けており、受験生の約半数が本学の学生で、合格率は毎年100 %を達成しています。
 また、本学の大学院へ進学して、看護教員などの研究や教育をめざす学生や、看護師としてのキャリアアップをめざすために働きながら大学院で研究・学修しようとする学生もいます。看護師の勤務と並行して、大学院で学びたい要望に応えるために土・日曜日の集中講義を行うなど、働きながら学べるサポートも充実しています。

学部長 山崎 登志子

助産学専攻科はこちらから

大学院看護学研究科はこちらから

山崎 登志子

活躍する卒業生

※2016年7月に取材しました。職場等の情報はその時点のものです。

中野 綾さん

命を守るケアは、
少しの変化も見逃さないこと

広島大学病院 高度救命救急センター勤務

中野 綾さん

2010年卒業

 高度救急救命センターで勤務し、6年目になります。こちらへ急患で来られる患者さんは心肺停止の状態であったり、交通事故などで重いケガをされていたりと重症なケースが多く、「命を守るためのケア」が日々行われています。医師と一緒に動くことが多いので、血圧やモニターを見たり、ケアをするだけではなく、医師がスムーズに治療ができるようにコミュニケーションを取りながら環境調整をしていくことも大切な仕事です。救急医療の現場は緊張感があり、1年目は衝撃的なことばかりでしたが、患者さんが命を取り留めて元気になっていく姿に、看護師としてやりがいを感じるようになりました。
 在学中に学んだことで強く印象に残っているのは、そもそも看護ケアとはどういうことなのか、そして数値以外のことに着目することの大切さです。意識がない患者さんの場合、人工呼吸器や心電図の数値などにとらわれがちですが、数字に現れない変化もあります。汗が出てきたとか、体が冷たくなってきたという変化は、患者さんに触れてはじめて分かります。このような少しの変化を見つけて医師に報告することで、異常の早期発見につながることがあります。
 ただこの場合も、「汗が出ています」と報告するだけでは何の解決にもならないので、「このような状態でこういうことが考えられると思いますが?」とまで言えるようにならなければいけない。今指導している新人の看護師にも、そのことを必ず伝えています。

中野 綾さん
大谷 周平さん

地域の人たちの健康を守るため、
健康づくりに関するさまざまな情報を提供しています

滋賀県長浜市役所 健康福祉部勤務

大谷 周平さん

2006年卒業

 看護学部を卒業後、保健師として旧高月町に入庁し、その後、市町村合併を経て市役所勤務となり、現在は主に市民の健康づくり啓発に関する業務を行っています。健康に関する課題や地域課題を明確にし、生活習慣の中で住民自身が疾患予防に取り組める仕組みを作っていくことが仕事です。例えば、住民のもとへ出向いて、市の課題や一般の人でも取り組める健康づくり情報を提供する「健康出前講座」や、行政と大学が連携して研究を行う官学事業に関わったり、またタバコの害について受動喫煙対策を進めるなど、その内容は多岐に渡ります。
 この仕事に就いたきっかけは、大学で看護実習に行った時、地域看護にいちばん刺激を受けたからです。自分自身が外へ出向き、地域の人と直接触れ合えることも魅力でした。入庁3年目までは先輩保健師のやり方を見て学ぶのに精一杯でしたが、自身の経験を生かした保健事業に参加した市民が、自ら健康づくりに関心を示し行動に移してくれるところを見ると、次第にやりがいが出てきました。
 仕事は一人だけでするものではなく、他の職種の人と連携しながら進めることで、幅広い視野で物事を捉え、課題を明確化したり、業務を効率よく行えるのだということを実感しています。今後は地域の実情をふまえ、将来を見越しながら健康課題の解決にむけて、市民ひとりひとりが「主役」として健康づくりに取り組め、互いに支え合える長浜市になるよう力を注いでいきたいです。市民に寄り添い、市民と「協創」しながら健康的で魅力的なひと・まちをつくりあげていく、これが「行政保健師」の仕事だと感じています。

大谷 周平さん

取得できる免許・資格

  • 看護師国家試験合格率

    2021年度 本学合格率

    (全国平均91.3%)

    99.1%

  • 取得できる資格(受験資格・関連資格)

    ☆看護師(国家試験受験資格)
    ☆保健師(国家試験受験資格)※、
    養護教諭二種免許 (保健師取得後、申請により取得可能)、
    第一種衛生管理者免許 (保健師取得後、申請により取得可能)

    ☆受験資格が得られるもの
    ※学外実習の人数に限りがあるため、25名に限られます。

  • 保健師国家試験合格率

    2021年度 本学合格率

    (全国平均89.3%)

    95.2%


就職データ

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