身体に障がいがある方の頼れるパートナー「補助犬」

2017年06月13日

広島大学の理学部は今は東広島市にありますが、広島市内には被爆建物である広島大学旧理学部1号館が建ってい ます。6月10日に、そのすぐ横にある会場で開催されたイベントに行ってきました。手話教室や介護補助ロボットのHAL体験など様々なイベントが開催されていましたが、一番のお目当ては補助犬です。補助犬には、盲導犬、介助犬、聴導犬の3種類がありますが、今回のイベントでは介助犬、聴導犬として訓練中の2頭が愛媛県から広島まで来て、訓練の成果を見せてくれました。

最初は、車いすに乗ったトレーナーの方が、床に落ちた携帯電話を介助犬に拾ってもらうという訓練の様子を見学しました。トレーナーの方の声に従って、ペットボトルではなくちゃんと携帯電話のストラップをくわえて、渡していました。ストラップを咥えるのは、携帯電話本体が壊れないようにしているとのことです。

次に聴導犬の訓練を見学しました。盲導犬は広島県でもかなり活躍しているそうですが、聴導犬はいないそうです。一般の方への認知度もかなり低いのが実態です。この聴導犬ですが、広島に来てくれたのはトイ・プードルでした。私の家でもトイ・プードルを飼っておりますので、それだけで親近感が増します。チャイムが鳴ると、トレーナーの方に飛びついて知らせた後、音源まで誘導していました。火災報知器が鳴った際には、知らせた後、その場で「フセ」をするよう訓練しているそうですが、このトイ・プードルくん、トレーナーの方に知らせずに「フセ」をしていました。トレーナーの方が気がつかない振りをしていると、ちゃんと知らせて、その後にもう一度「フセ」をして、しっかりと伝える事ができました。

このイベントには、本学看護学科の卒業生がご主人と立ち上げた会社が参加しておりました。わたしは彼女の紹介での参加です。彼女は補助犬のイベントの司会や、手話教室を開いていました。本学の学生もボランティアとして参加していると聞いていましたが、この日は会うことができず残念でした。しかし、補助犬や卒業生に会えたり、介護支援のロボットを体験したりと、短い時間でしたが、楽しく、小さな「しあわせ」を感じる時を過ごす事が出来ました。

さて、このような障がいがある方の強い味方、補助犬ですが、飲食店など同伴できる事が法律で定められているにもかかわらず、入店を拒否されたりとトラブルが多いそうです。「Welcome! ほじょ犬」とか「補助犬同伴可」というステッカーがありますが、これらは「補助犬を同伴して入っていいですよ」ということではなく、補助犬を利用しておられる方への「安心して入って下さい」というメッセージだったり、一般の方の理解を深めるためのものだそうです。本学の学生にも補助犬に対する理解を深めてもらい、彼らの活躍を温かく見守っていったり支援していけるようになって欲しいと思います。