SDGsカードゲーム初体験!~医療経営学科の学生さんと~

2019年08月20日

<SDGsとは>

皆さんはSDGsという言葉をご存じでしょうか。2015年に国連サミットで採択された持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals)のことで、2030年を目標に 持続可能な世界を実現するための17のゴールから構成されています。これらのゴールには、「3.すべての人に健康と福祉を」「4.質の高い教育をみんなに」というような本学が目指す所と共通なものもあります。SDGsではそれらのゴールをさらに169のターゲットに分け、「地球上の誰一人として取り残さない」ことを誓っています。多くの企業・大学がその活動にSDGsの視点を取り入れ始めており、初等・中等教育でも取り上げられるようになっています。

<SDGsカードゲームの概略>

その考え方を理解するためのカードゲームも開発されており、私も経験してみたいと思っていました。そんな矢先、日本青年会議所の方から声をかけて頂き、医療経営学科の 学生さん12名と、私を含めて本学の教職員4名の16名でSDGsカードゲームを体験することができました。SDGsの大まかな内容についての説明の後に、いよいよゲーム開始です。

最初に一人ひとりに、各人の「価値観」を決めるカードが配られました。私のカードは「大いなる富」というタイトルで、ゴール条件として、定められた以上の富を得ていて、その富を活用できる豊かな世界が整っている、というものでした。もう一枚、プロジェクトのカードをもらいました。こちらに記載してあるプロジェクトを実施していくことで、ゴールを目指すということになります。記憶が定かではありませんが、例えば「工場の建設」というプロジェクトがあるとすると、自分が持っているお金を使って工場を建設します。経済的に豊かな世界であれば儲かるので、使った以上のお金をもらうことができます。一方で、経済は良くなりますが、工場設置のために環境破壊が起きます。

<やってみた!>

このように、各自がプロジェクトを実施することで、世界の状況を表す「経済」「環境」「社会」の3項目が変化していきます。私の「価値観」は「大いなる富」でしたので、最初に自分に配布されたプロジェクトと他の人が持っていた「工場の建設」のプロジェクトとを交換し、経済状況が良くなるのを待って「工場の建設」を行い、ゴール条件で定められた富以上の富を確保しました。このあたりで、世界の状況について中間発表があったのですが、「経済」が非常に発達しているけども、「環境」は悪くなって、住みやすさを示す「社会」も最悪の世界になっていました。

<目標へ向けて>

「これはまずい」ということで、世界を良くするためのプロジェクトを持っている学生さんの支援をしていきました。学生さんの中には、「自分がゴール条件を満たせば勝ち」「自分の価値観を示すカードを沢山持っていれば勝ち」と思っていた人もいましたが、SDGsの精神である「誰一人として取り残さない」ということを思い出してもらって、他の人の状況も見ながら進めてもらうようにして行きました。ですが、みんながそれに気づいて行動しようとしたときには、制限時間(2030年)が迫っており、何人かはゴール条件を満たすことができずに終わってしまいました。「経済」「環境」「社会」の3項目は、中間発表の際には考えられないほど、バランス良く全体が発展しており、ここは一安心というところです。

<ゲームを終えて>

ゲームをした後、「最初、自分のゴールだけ考えてしまった」「他の人の状況をもう少し確認すればよかった」「もっと声を上げればよかった」など、いろいろな気づきが得られたようです。参加してくれた医療経営学科の学生さんの多くは、非常に積極的で、指導して頂いた日本青年会議所の方からも「これだけ声が出ていたグループはあまりないですね」と言ってもらえたように、非常に楽しくカードゲームを進めることができました。以前から本学の様々な活動をSDGsの観点から整理して改善をしていきたい、と思いつつも、皆さんがその気にならないと負担になるだけだなと感じておりました。このカードゲームは、本学心理学部の学生さん達も経験したようですし、楽しいので多くの本学教職員や学生さんに経験してもらって、「これは本気で取り組んだ方がいいぞ」となればいいなと思っております。