本学では、毎年３月１５日に学位記・修了証書授与式、いわゆる卒業式を挙行しておりますが、今年度は新型コロナウイルス感染症予防のため、全体式典を中止し、学科や専攻単位で、卒業生・修了生の皆さんへの授与式を行いました。広島県で次々と感染者が見つかるという状況になっていれば、当日のイベントはすべて中止とし、学位記や修了証書を送付という形にしないといけない可能性もありましたが、大きなトラブルもなく予定通り授与できて、ホッとしております。

当日は、多くの方が一箇所に集まるのを避けるために、在学生の入構を制限し、キャンパス毎に授与を行いました。日曜日でもあり、ご家族の方も多く来ておられましたが、外でお待ち頂くこととしました。いい天気でしたので、各キャンパスの正門前など、あちこちで友人同士やご家族と記念写真を撮っておられる卒業生・修了生の姿を多く見かけました。呉キャンパスに整備した呉ローズガーデンでは、多くの花が卒業を祝うかのように咲いており、こちらも記念写真のスポットとなっていました。

授与式では、卒業生・修了生へ向けて、私からのメッセージを録画して配信しました。全体での式典は中止となりましたが、少しでも雰囲気を出そうと、アカデミックハットをかぶり、アカデミックガウンを着て、本来の式典会場である講堂で、金屏風を背景に撮影しました。メッセージでは、協働力を磨いて欲しいということをお伝えしましたが、それに合せて「HIU」の字が「協働力」に変化する動画も自分で作ってみました。週末を何日か使わないといけないかな、と思いましたが、半日もかからず、案外と簡単にできてしまいました。最近のツールの進歩はすごいですね。多くの情報が比較的簡単に入手できるようにもなっており、「自分には難しいかな」と感じても、やってみれば、何らかの形に出来る時代だと思います。

全体式典は中止となりましたが、WHOが新型コロナウイルス感染症拡大についてパンデミックを宣言したり、東京オリンピックがどうなるかが話題になっていたりという中での開催で、皆さんの記憶に残る一日となったのではないでしょうか。新型コロナウイルス感染症の収束には、まだまだ時間がかかりそうですし、感染拡大のスピードを抑える事が重要です。卒業生・修了生の皆さんの多くが、4月から新しい地で活躍されますが、新型コロナウイルス感染症に関しては、皆さん自身が「感染しない」ことも重要ですが、若い皆さんにとってもっと重要なのは「感染を広げない」という意識です。社会やコミュニティーに対する責任ということも念頭において行動されることを望みます。

卒業生・修了生の皆さんのご活躍を心より祈念しております。卒業生・修了生の皆さん、本当におめでとうございます。