台湾異文化体験研修旅行!

2023年08月21日

<異文化体験研修へ初参加>

8月に台湾の慈済科技大学が主催する異文化体験の研修に本学の学生が参加しました。本学からこの研修への参加は、今回が初めてということもあり、国際交流センターのセンター長や課長と共に、10日間の研修日程の最初の3日間、学生に同行しました。この研修への参加国は、日本の他に、韓国、タイ、インドネシア、ドイツで、大学生だけでなく大学院生も参加していました。コロナ禍前はもっと多くの参加があったそうですので、来年度以降、さらに参加者が増えると推測されます。

本学からの参加者は8名ですが、そのうち男子学生は2年次の1名だけで、あとは1年次の女子学生でした。他の大学・国を見ても、女子学生の参加が多いように感じます。本学の男子学生の孤立を少し心配しましたが、1日目に宿泊したホテルで他大学から参加した日本人の男子学生と同室になり、早速一緒にホテル内を散策したりしている姿を見ることができ安心しました。

<台北市での研修>

研修の1日目は、ほとんどが移動です。宿泊するホテルに集合してから夕刻に少し台北の観光をした程度でしたので、2日目からが本格的な研修の開始です。2日目の午前中は、慈済科技大学の設置母体で、仏教系の慈善団体である慈済基金会が運営しているメディア関連施設で、開会式・見学がありました。慈済科技大学の学長先生も何時間もかけて花蓮市から台北市に来られて挨拶をされ、慈済科技大学と参加大学との間で記念品の交換などをしました。本学は、もみじ饅頭と、東広島市の有名な日本酒を贈呈しました。慈済科技大学からはパイナップルケーキやボールペンなどを頂きました。

2日目の午後には、慈済基金会が運営している病院の説明や見学がありました。暖かい雰囲気の病院で、多くのボランティアスタッフが運営に協力されており、中には流暢に日本語を話すことができる方もおられました。3日目は、食から考える環境の持続性などの観点から、植物をベースにおいた食事の普及を行っている施設で、学生さんたちは、このような食事の意義について学んだり、卵の代わりにカボチャを用いたプリンやくず餅の調理体験をしました。

他国からの参加者には、医療など、これらの施設に関する領域を専門に学んでいる学生もおられたようで、熱心に質問している姿を見ることができました。

<コミュニケーションは英語>

説明はすべて英語で、本学の学生がどの程度ついていけているか心配しておりました。しかし、「英語がわかりません」といいつつも他国の学生さんと会話をしていたり、スマホで写真を見せあったりと、楽しそうにコミュニケーションしている姿を頻繁に見ることができ、頼もしく感じました。

私自身も、中国語は全くできませんし、英語もあまり得意ではないので、思うようにはコミュニケーションはできませんでしたが、私が学長ということもあり、言葉の面でも慈済科技大学の方にはいろいろと気を使っていただき、助かりました。メディア関連施設では、CEOの方などと面談する機会もありましたが、少し英語で話す以外は、ほとんど中国語で話が進んでおり、アウエイ感はありませんでしたが、片言とはいえ、日本語を喋れる方がサポートしてくださり、ありがったかったです。

<多くのボランティアに支えられた研修>

ところで、この研修は、多くの慈済科技大学の学生さんが主となって進めておられました。何人かと話した印象では、インドネシアなどからの留学生が多いように感じました。その留学生の中に、本学の教員にそっくりの学生さんがおられたので、そのことを話したら、照れた感じでニコニコしてくれ、研修の学生さんへ指示を出したりしておられる際の凛々しい顔とのギャップが印象的でした。3日目、私たちは、花蓮市へ向かう学生さんたちの乗ったバスを見送ってから、空港へ移動しました。見送りの際に主に担当していた慈済科技大学の学生さんに、「本学の学生をよろしく」と挨拶したら、「任せてください」と頼もしい返事をもらいました。私たち教職員が帰国することで、少し不安になった本学の学生さんがおられたかもしれませんが、彼らならしっかりとサポートしてくれると感じました。

<無事帰国>

コロナ禍前は広島と台北間の飛行機は毎日運行されていたと思いますが、現在は、週4往復です。そのため、行きは福岡空港から出発しましたが、私たちも、学生さんも、帰りは広島空港着で帰ることができました。私たちが帰国する際には、九州に接近した台風6号のすぐそばを通りましたが、広島にはほとんど影響がありませんでしたし、学生さんの帰国の際にも、台風7号後の大雨のために新幹線が止まったりしていましたので、広島空港の直行便で帰国できたのは幸いでした。

<楽しいけども苦労の多い研修が学生さんの成長に>

他国の学生さんとは英語でコミュニケーションをとらざるを得ず、思うようにコミュニケーションできなかったり、習慣の違いなど、本学の学生さんは苦労したことも多かったと思います。話している内容がわからない時には、取り残されたように感じることもあったでしょう。また、慈済科技大学が仏教団体を母体としていることもあり、食事に肉類が提供されなかったので、食事に物足りなさを感じたかもしれません。今回の研修では、夜市やビーチ訪問などの観光もセッティングしてありました。通常の観光旅行や語学研修では決して体験できないことが多く経験できたと思います。これらの経験は参加した学生さんの大きな成長につながると信じています。

<来年も是非参加を>

研修中は、いくつかトラブルもありましたが、大過なく、無事研修を終えることができました。夏季休暇中ということもあり、参加後の学生さんからの感想は、詳しくては聞けていませんが、大学へは、後日報告してもらう予定です。私たち教職員も3日間だけですが同行しましたし、この研修について、より具体的に紹介できますので、本学の学生さんには、是非、来年も参加してもらいたいと思います。

<国際交流の活発化>

今回の研修とは関係ないですが、台湾の研修から帰国後、妻と屋久島へ旅行したのですが、海外からの旅行者が多くおられました。バスツアーでは台湾からという方が参加しておられました。台北市と台湾南部を頻繁に行き来する仕事をしておられるようで、慈済科技大学のことはご存知ありませんでしたが、慈済基金会のことは知っておられました。こんな話をした関係で、ガイドさんの日本語の説明を、つたないながらも英語で通訳することとなってしまいました。今回の研修中もそうですが、話した後に、こう言えばよかったと思うことが多く、英会話を少し勉強しておくべきだった、と反省しきりです。

また、この研修で学生さんが帰ってくるのと入れ替わるように、本学の海外チャレンジプロジェクトとして認められた放射線学科の学生さんがオーストラリアに出発しました。9月初旬に帰国するまで、オーストラリアの大学で研修を進めます。コロナ禍が収束し、このような海外との交流も活発化してきて、嬉しい限りです。