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2021年11月22日
医療経営学専攻修士課程2年の渡邉春美さんが第59回日本医療・病院管理学会学術総会(オンライン開催)で発表した演題「看護師長における構造的・精神的エンパワーメントと管理者行動意識との関連」が、優秀演題賞に選ばれました。
渡邉さんは、広島県内の医療機関で看護師長として働きながら本学の大学院で成清哲也教授の指導のもと研究を行っています。自身が管理職である立場を生かし、病院内で最大の組織体である看護部門の「看護師長」における権限や責務に着目した研究が評価されました。
演題発表は、看護師長の管理者行動にエンパワーメント(権限付与や能力開花)がどのように影響しているか、渡邉さんが勤務するグループ病院の看護師長647人を対象とした、無記名自記式質問紙調査で回収した415人の回答から欠損の無い396人の回答について統計的に分析し重回帰分析のパス図として結果をまとめたものです。
調査結果から、管理者行動に影響を与えるエンパワーメントの項目において、公式権限・非公式権限が有効であることを明らかにしました。一方で自己評価が低い項目もあり、その原因と対策を検討することが課題だと言います。今後は、エンパワーメントを高めていく上で組織として何が必要なのか、今回の調査結果に基づき「人的資源管理」の理論を援用し考察を進めていきます。
渡邉さんは、「看護師長が変われば、その部署の雰囲気は良くも悪くも大きく変わります。看護師長が前向きにリーダーシップを発揮していくことが組織にとって大事で、そのために必要な教育や職場環境について検討するときに役立てたい」と話しました。