生命維持のための最先端機器を操作する、責任とやりがいがここにある。
医療工学がますます進化する、日本の医療。
生命維持のための最先端機器を操作する、
責任とやりがいがここにある。
私がこの道を選んだのは、臨床工学技士として、生命維持に関するさまざまな機器を操作、管理するだけでなく、治療に携われる重要な役割を担っているからです。実際、大学病院で18年間働き、チームの一員として人工心肺を担当。心臓手術の現場で、命と向き合ってきました。人工心肺は、しばしば飛行機の離着陸に例えられます。導入時に、血液量をあげ、装置に血液を大量に受け取るのが、いうならば離陸。そして、そこから心臓が止められ、一定の速度で回し続けるのですが、それが、飛行機でいうなら上空のオート操縦にあたります。そして最後、手術が終わり患者さんの体に血液を戻す際が着陸。この導入時と離脱時の操作に、非常に繊細な技術が求められます。失敗は許されません。だからこそ、自動化が難しいとも言われている分野でもあります。ただ、自動化が無理でも、より安全な操作にするために、人工心肺をアシストできる仕組み作りができないか・・・それが今の私の研究テーマです。医療従事者を、工学研究でサポートしたいと思います。
超高齢社会による医師不足が深刻化し、医師の働き方改革が進む中、医師に変わってタスクマネジメントをするのは看護師と薬剤師、そして臨床工学技士だと言われています。たとえば、透析の治療の携わるなら、毎日外来の患者さんと接する機会もあるでしょう。医療機器の専門家としてだけでなく、臨床“治療”技士として看護的な役割を果たす仕事も、あります。これからますます、医療工学が急速に進む日本の医療。その中で、臨床工学技士は、今まで以上に、医療に欠かせない重要な役割を果たす存在になると思います。