放射線というと、病院でのレントゲン撮影や原子力発電を思い浮かべる人が多いでしょう。どちらも、私たちが健康でいるため、現代の生活に不可欠な電気を作り出すため、と生活に直接役立つ技術です。しかし、放射線は技術分野だけでなく、 科学研究においても広く使われています。私は、 放射線(X線や中性子線)を利用して、アルツハイマー病やがん等の疾患に関係するタンパク質の形や動きを調べることで、疾患の起こる仕組みを分子や原子のレベルで明らかにしようとする研究を進めています。タンパク質の形がこう変わるから、タンパク質の中の原子がこういう動きをするから細胞に異常が起きるんだ、ということが少しずつ分かってきています。将来、原子の動きを操作することで疾患を予防したり治療したりすることができるようになるかもしれません。一方、日々得られる研究結果が生活に即役立つということはなく、疾患の仕組みを明らかにするには相当の年月に及ぶ研究が必要です。
同じ様に、私たちが大学で学ぶ学問体系は、一朝一夕で出来上がったものではありません。数多くの科学者が知的好奇心に基づき長い年月，あるいは生涯をかけて見つけ出した知識の総体です。それが更に、長い年月をかけて放射線の医学利用など実用的な先端技術として身を結び、私たちの健康や生活の利便性向上に寄与しているのです。従って、将来も持続的に人類が幸福な暮らしをしていくためには、このような互いに目的と性質が異なる科学と技術の関係や重要性を、私たち一人一人が理解し両者を発展させていく土壌を築くことが重要です。すぐに役立つ訳ではない基礎科学が軽視されがちな昨今の風潮の中、基礎科学分野に身を置く一研究者として、私は指導する学生に、国家試験を乗り越え医療分野で活躍するための専門知識を身につけてもらうと共に、人類の将来を支える上で不可欠な科学と技術の両者を寛容する感覚を養ってもらえるように教育していきます。

診療放射線学科の授業では、機械の使い方だけではなく、人の身体について深く知ることができます。

どの授業も、どんどん知識を増やしていき、分からないことがあれば、調べて新しいことを知っていく面白さがあります。

高校では「物理」を選択していなかったのですが、大学に入ってから先生が丁寧に教えていただいたので、今では全く不安はありません！

高校生までは勉強が得意ではなかったはずの自分に、学習意欲が湧くなんて、本当に凄いことです！

ヒロコクには学校推薦型選抜で来ました。高校の先輩もヒロコクにいたので、大学の雰囲気や環境の良さも聞いていました！ でも、地元を出て知らない土地に行くとなると、「人間関係はうまくいくのか…」「勉強にはついていけるのか…」など、不安も多かったです。

大学生活が始まって、やはり1年生の初めの頃は孤独を感じましたし、めっちゃ挫けそうなこともありましたが、大学に通ううちに友達もできて、同じ県の学生とも出会ったりして、どんどん楽しくなっていきました。

寂しいなーと感じた時には、お互いが誘い合い、一緒に食事や温泉に行ったり、リフレッシュしています。友達の存在に、かなり支えてもらっていて、気づいたら広島の生活にも慣れて楽しくなっていました。

WEB大学案内で学生の“素”を見る

（１）広島国際大学診療放射線学科を選んだきっかけ、もしくは決め手はなんですか？

診療放射線技師の養成校が少ない中、私が広島国際大学の診療放射線学科を選んだきっかけは、大学内に放射線技師業務で使用される装置が充実していて、病院では経験しづらい技術や操作も、大学内でじっくり学べる環境が整っていることが魅力でした。また、進学先は中四国地方で考えていたのですが、その中でも教育環境が充実していると感じ、広島国際大学を選びました。

（２）現在、ご担当されている業務とその仕事を選んだ理由をお教えください。

私は、中学時代にバスケットボール部に所属していて、手をケガすることがありました。その時に、手のレントゲンを撮影してもらい、実際にレントゲン写真を見るのはそれが最初で普通の写真と写り方が異なり、手の骨折部分を観察しやすいような写真で写っているところに興味を持ちました。また、人の命を救うことに携わる仕事を目指していたため、診療放射線技師という仕事を選びました。

（３）広島国際大学診療放射線学科で受講した授業のうち、思い出のある授業は何ですか？

基礎画像読影学

基礎画像読影学とは、いくつかの病気について、原因や診断方法、治療法などについて3人4人の班で調べてPowerPointを作成し、発表する授業です。診療放射線技師は、ただ撮影するだけでなく、疾患に応じて撮影方法や使用装置等も変わってくるため、病気についてある程度知っている必要があります。この授業では、病気の数は限定されますが、より詳しく調べ学べる授業であり、PowerPoint作成の方法や今の医療では欠かせないチーム医療としての各職種の役割およびコミュニケーション能力も同時に身に付けることができる授業であったため、とても印象に残っています。

（４）学生時代を振り返って広島国際大学診療放射線学科の魅力はどんなところにあると思いますか？

広島国際大学診療放射線学科の魅了は、学校内に放射線技師が使用している装置があることです。そのため、病院で実習をする場合は患者さんや診療放射線技師の仕事によってできることが限られるが、学内では患者さんや診療放射線技師の仕事に縛られず実際の仕事と近い実習ができます。そして、実際病院での実習もあるため、学内実習で身に付けた知識・技術を踏まえて学外で実習を行うことで、さらに診療放射線技師として必要な知識・技術を身に付けることができます。

（５）高校生の時に頑張っておいてよかった（頑張っておいた方がいい）と思われることがあれば、お教えください。

大学で学ぶことは初めてのことばかりなので、高校生の時に絶対にやらないといけないことはないです。そのため、大学受験のためしっかり勉強して、勉強や学校行事、部活動なんでもいいので「高校生でこれだけは1番頑張った」と言えることを作り、悔いのないように残りの学校生活を楽しんで下さい。