
命を守るケアは、
少しの変化も見逃さないこと
広島大学病院 高度救命救急センター勤務
中野 綾さん
2010年卒業
高度救急救命センターで勤務し、6年目になります。こちらへ急患で来られる患者さんは心肺停止の状態であったり、交通事故などで重いケガをされていたりと重症なケースが多く、「命を守るためのケア」が日々行われています。医師と一緒に動くことが多いので、血圧やモニターを見たり、ケアをするだけではなく、医師がスムーズに治療ができるようにコミュニケーションを取りながら環境調整をしていくことも大切な仕事です。救急医療の現場は緊張感があり、1年目は衝撃的なことばかりでしたが、患者さんが命を取り留めて元気になっていく姿に、看護師としてやりがいを感じるようになりました。
在学中に学んだことで強く印象に残っているのは、そもそも看護ケアとはどういうことなのか、そして数値以外のことに着目することの大切さです。意識がない患者さんの場合、人工呼吸器や心電図の数値などにとらわれがちですが、数字に現れない変化もあります。汗が出てきたとか、体が冷たくなってきたという変化は、患者さんに触れてはじめて分かります。このような少しの変化を見つけて医師に報告することで、異常の早期発見につながることがあります。
ただこの場合も、「汗が出ています」と報告するだけでは何の解決にもならないので、「このような状態でこういうことが考えられると思いますが?」とまで言えるようにならなければいけない。今指導している新人の看護師にも、そのことを必ず伝えています。
