株式会社ak 代表取締役
訪問看護ステーションなつめ 管理者 荒木 亮平 さん

 

 

Q.1 今、どんなお仕事をしていますか?

奈良県で、精神科訪問看護事業をしています。

精神疾患をお持ちの方を取り巻く環境は厳しく、例えば、働き盛りの男性が住宅ローンを抱えながらうつ病に罹り、仕事も家事子育ても何もできなくなり離婚された利用者様。

ご自身が発達障害のシングルマザーで、お子様全員が発達障害や知的障害をお持ちで、放課後デイサービスの送り迎えや受診付き添い、支援事業所とのやりとりなどと家事をしながら生活に支障がでている利用者様。精神疾患とアルコール依存傾向の家族のためにヤングケアラーになっているお子様自身が、家事と学校を両立しながら希死念慮が強く自傷してしまう利用者様。

など、一筋縄では解決できず、どこから介入したらよいのか分からない難しいケースがあります。利用者様を支援する中で、市町村行政、他医療機関、福祉・介護支援の方々との協力や情報共有しながら利用者様とそのご家族様がその人らしく、地域での生活を継続できることを目標としていますが、できることなら人生が今より少しでも華やかに過ごしていただけるよう関わっています。

 

 

Q.2学生時代に経験した課外活動などについて、どんな点が学びになったと思いますか?

障がいがある方への洗髪のボランティアに参加していました。特に印象に残っているのは、当事者を支えるご家族の方々がとても明るくパワフルな印象で、ふれあいの中で逆に力をいただいていた記憶があります。 学生時代のボランティア活動は地域への関心が強くなった理由のひとつです。

 

 

Q.3学生時代に記憶に残った授業はありますか?仕事をしていく中で感じたこと等もあれば、合わせて教えてください。

地域での豊富な活動経験を交えて話してくださったことが興味深く、当時楽しく話を聞いていた記憶があります。地域での看護は、疾患への治療だけではなく健康増進や疾病予防を支援します。現在、精神科に特化した訪問看護を運営していますが、利用者様の多くは急性期を経て退院するタイミングで支援を開始することが多いです。一時的に病状が改善したところから、今後悪化しないよう服薬管理や予防的観点をもって看護を提供し、地域でその人らしく過ごせるよう支援をしています。