ニューヨーク急性期病院 勤務
郷坪 優姫さん(2013年卒業)

Q1. 今、どんな仕事をしていますか?

ニューヨークの急性期病院で、小児科·新生児集中治療室の正看護師として勤務しています。

広島国際大学を卒業後、大学病院の循環器内科、心臓血管外科で3年働きニューヨークに看護留学しました。その後、アメリカで看護師資格を取得しました。現在は、看護師として勤務しながら、New York Universityの大学院で、国際公衆衛生を学んでいます。

 

Q2.看護学科で学んだ授業で印象的な授業はありますか?また、その授業は現在、どのような役に立っていますか?

私はもともと、発展途上国の子どもたちの健康や5歳児未満児死亡率の減少などに強い関心がありました。そのため、大学時代には「公衆衛生」「生物統計学」「疫学」などの授業に特に興味を持ちました。

「公衆衛生」という分野は、多角的な視点から健康課題にアプローチし、病気をどう予防するかを考える学問です。看護師として病気の症状をしっかり観察し、正確にアセスメントすることはもちろん大切です。しかしそれだけでなく、患者さんの背景や生活環境、社会経済的地位や教育レベル、日々の生活習慣など、より広い視点から病気の原因や罹患率を考えることも、患者さんの病気を防ぐために大切なことだと感じています。

ヒロコクで学んだ多角的な視点で物事を見る力は、看護師として臨床で働く上でも、成長にも繋がっていると思います。

 

Q3.「ヒロコクの看護学科ならではの学び・体験だったな」と思うことがあれば教えてください。

広島国際大学で国際看護の勉強がしたいと思い、進学しました。授業では、グループワークなどで学ぶ機会もたくさんあり、他ではない経験だったと思います。実習メンバーやゼミのメンバーなどは、今では、海外や臨床の最先端で活躍している友達も多く、とても尊敬でき、お互い学び高めあえる存在です。

そんな友達に広島国際大学で出会えたことが人生の大きな宝だとも思っています。

 

Q4.社会に出て、どんな時にヒロコクの看護学科のことを思い出しますか?

ニューヨークに単身で看護留学して、ずっと生活をしているのですが、最初は友達もおらず、家族もいない知らない異国の地で、常に孤独との闘いでした。そんな中で、SNSやメール、電話などで、ヒロコクの友達がいろんなフィールドで活躍している姿を見たり、聞いたりすると、大学時代のことを思い出すとともに、私も頑張ろうという活力になっています。

 

Q5.今、看護師の道を考えている高校生にメッセージをお願いします。

高校生のみなさんへ

今、AIやテクノロジーがどんどん発展している時代に、「将来、看護師になりたい」と思うことに、不安を感じる人もいるかもしれません。

私は、どれだけAIが発達しても『患者さん·家族の心に寄り添う力』や『その人らしく生きていくことに目を向ける温かいケア』は、AIにはとって変わることができない、看護師だけができる特別な仕事だと思っています。

患者さんの不安な表情、さりげない仕草、小さな変化に気づき、そっと声をかける。その一言で救われる患者さんがたくさんいます。看護は、人間らしさや、その人らしく生きる権利を大切にするとても誇りある仕事です。

どんな時代であっても、「人の健康や幸せを想う気持ち」が看護の原点です。あなたのその気持ちが、未来の誰かの命を救う力になります。

そしていつか、世界のどこかで、一緒に働ける日を心から楽しみにしています。