2017年2月27日~3月15日にかけて、薬学部の5年生3人がアメリカのノースカロライナ州にあるノースカロライナ大学(UNC)チャペルヒル校の薬学部で行われた国際実務実習研修に参加しました。2014年3月に学術教育交流に関する協定を結んでから、3回目、パイロットプログラムから数えると第7回目となります。UNCの薬学部は前年度に引き続き、2016年度も教育部門において全米第1位であり、最先端の研究及び教育を目の当たりにできたすばらしい機会でした。

 

 研修をお世話して下さいましたDennis Williams先生の研修プログラムのもとで、約2週間の充実した研修が行われました。まずは薬学部の授業体験について。実際の症例を基に構成される講義は我々にとってとても新鮮で、現地学生が高いモチベーションを持って講義に臨んでいるのもうなずけます。大人数の講義でも学生は積極的に発言し、10人程度でのグループディスカッションでは活発な討論が行われていました。次に、UNC大学病院について。それぞれの部署を担当する薬剤師からの説明を受けながら、中央薬局、外来患者・退院患者専用薬局、小児病棟薬局、癌病棟薬局、学生薬局等を見学させていただきました。入院中は患者さんに薬の管理を任せることはせず、オムニセルという薬剤管理用機器を用いていました。また、UNC大学病院以外にもウォルグリーン(コミュニティーファーマシー)、デューク・リージョナル病院(一般病院)及びUNC shared service center (UNC近辺の地域で使用される薬剤や医療品機器類の管理やデリバリーを集中的に行える施設)を訪問し、それらの設備や施設で働く薬剤師の仕事についても丁寧に説明してくださいました。加えて、我々のみを対象としたSpecial Lectureも準備してくれました。COPD患者についての症例検討会では、3人がそれぞれ自分の意見を述べ(もちろん英語で)、Dennis先生との活発な討論ができました。

 

 その他、茶道を現地薬学部の学生に体験してもらったり(Tea Ceremony)、日本の漫画のすばらしさを現地の学生にアツく説明したり、コンパ(飲み会)では不慣れな英語(と多くのbody language)を使って、かっこいい(かわいい)UNCの学生たちとコミュニケーションを積極的にとったりしました。期間の最後にフロリダに移動し、ディズニーワールドとNASAに遊びに行くこともでき、勉強と遊びと両方を満喫した国際研修でした。

 

 最後に、この研修期間中にDennis先生から以下のようなお言葉を頂戴しました。「いい薬剤師とは、常になぜそうなるのかを考え、エビデンスを踏まえて自分の意見をしっかりと述べる事が出来る人ですよ。」この言葉に学生たちは感銘を受け、今回の研修に参加したことによって、今後自分たちがどのような薬剤師になりたいか、どのような薬剤師になるべきなのかが明確になったようです。

 

引率教員:倉本 充子(教授)、井口 裕介(講師)
文責:井口 裕介

 

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