2016年3月7日~3月23日 国際実務実習研修に薬学部5年生7名が参加しました。

2016年3月7日~3月23日の期間で国際実務実習研修を行いました。研修先は、2014年3月に本学薬学部と学術教育交流に関する協定を結んだノースカロライナ大学(UNC)チャペルヒル校薬学部。協定を結んでからは、第2回目、パイロットプログラムから数えると第6回目となりました。

ノースカロライナ州はアメリカ合衆国独立当初の13州の一つで、UNCはアメリカの公立大学の中で最も古く伝統のある大学です。また、U.S. News & World Report において薬学部教育部門で全米第1位(前年度まで第2位であった当学部が、第1位となったという嬉しいニュースが、我々の実習中に入り、参加学生らの学修意欲がさらに増すこととなりました)と評価されており、最先端の研究・教育を実践されている大学です。
我々日本から訪れた学生たちにきめ細かな学修・実習指導を提供してくださり、今回の研修を通じて参加学生は自身の新しい未来像を開くきっかけとなったと述べております。

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薬学部ビアードホール前でUNC薬学部長と共に

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薬剤師の臨床業務に関するバロウ博士による講義
左から:木村先生、倉本、小泉さん、Dr. Jennifer Barrow、井谷さん、小松さん、陶山君、
前列:藤井さん、馬越さん、宮城君

UNC大学病院は、病床数700、薬剤師120名が勤務する大病院です。上記Dr. Jennifer Barrowは、そのUNC大学病院でのCPP(Clinical Practice Pharmacist)でもあり、同時に病院の薬剤師のマネージメントや大学での講義も行う立場の博士です。CPPとは、米国で医師と対等な関係にある薬剤師のことです。Dr. Jennifer Barrowからは、その業務の役割・内容・重要性などの講義を受けました。そして、この二、三十年の間に米国の薬剤師らがどのように専門職としての地位を上げる努力をしてきたかお聞きしました。学生たちは非常に感銘を受けた様子で、自分たちが日本の薬剤師の立場を改革して行く一端を担おうとの気持ちが湧いてきたようです。

また、中央薬局、外来患者・退院患者専用薬局、小児病棟薬局、癌病棟薬局、学生薬局等複数の専門化された薬局で、それぞれの部署の専門知識と経験を持つPharmD(臨床実務薬剤師の専門職学位)の先生方からの説明も受けました。昨年度建設されたUNCヒルズボロウキャンパスの病院薬局では、さらに新しく整備されたオムニセル(バーコードで患者情報・薬を管理する機械)や入院環境に自然の風景を取り入れた設備などに感心させられました。

薬学部の授業では、遠隔システムや丸テーブルに供えられたPCを活用した授業、グループディスカッションなど様々な形式の米国の生の授業を体験しました。学生たちは、興奮がさめやらない中、自分たちのグループのみを対象とした貴重な講義やディスカッションに向けて、準備にも真摯に取り組みました。

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UNCの学生らと授業前の談話風景
立っている方:このプログラムの責任者
Dr. Dennis Williams

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ケース・スタディのディスカッション準備

UNC大学病院のほか、デューク・リージョナル病院やコミュニティ・ファーマシーにも訪れ、現地で気づいた疑問点などを皆が活発に尋ねることができました。また、2週間の研修終了後には、フロリダ州オーランドのディズニー・ワールドやNASA航空宇宙局の見学を満喫しました。

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薬学部教授 倉本充子