Q.参加したきっかけは?

私は、呉ボランティア部の部長を務めているのですが、活動の裾野を広げたくて、2024年3月に開催された東広島市社会福祉協議会主催「東広島学生ボランティア研修・交流会」に参加したことがきっかけでした。そこで出会ったのが、災害活動支援などを行っているNPO法人IMAGINUSの方です。IMAGINUSは、災害発生初期の段階で、自治体と協力し、ボランティアセンターやサテライトの立ち上げ、運営に関わっている団体で、東日本大震災や西日本豪雨災害などの活動実績があります。

 

今回、IMAGINUSの方から、年明けに発生した能登半島地震の学生ボランティアの募集があることを聞き、参加を決めました。

 

Q.災害ボランティアへの参加は悩まなかった?

呉ボランティア部のメイン活動は、学外ボランティア活動を通じて、地域に貢献することです。その中で、災害の被災地支援やボランティア活動(紡ぎプロジェクト)にも力を入れたいと思っていました。
参加へのハードルは多少ありましたが、能登半島地震が起きた際のニュース記事を見たりしていて、「自分も力になりたい」と参加への迷いはありませんでした。

 

Q.災害ボランティア参加するときの事前準備は?

まずは、活動に必要な物品を準備しました。防災用のヘルメットや長靴、災害ボランティアでは、ポケットなどにいちいち物を出し入れするのが難しいので、機能性に優れたウエストポーチが有効です。
そして、事前学習として、被災地である能登半島は、今どのようなフェーズに来ているのかを調査したり、実際に被災地で活動した方の活動レポートなどを参考にしました。参加予定者を対象とした事前勉強会で、各自で調べた内容を発表・共有しました。

 

Q.災害ボランティア活動の内容は?

今回の能登半島地震の学生ボランティアは、5月3日~5月5日の2泊3日で、広島県内6つの大学の学生10名と社会人引率の方4名の計14名で活動しました。
移動は約7時間かかりました。新幹線と特急列車を使って金沢まで行き、そこから約1時間レンタカーで移動し、被災地に入りました。

 

1日目は、七尾市にある広報支援ベースにしぎし(ボランティアの拠点)でボランティア活動を行いました。具体的な活動としては、ベースにあるお風呂のお湯を沸かすための火おこしや、温度を維持するために使う薪割り、ベースに寝泊まりする100人を超えるボランティアの食事作り、ぞうきんがけ、ベースの周りに生えている雑草抜きなどをしました。

 

2日目は、輪島市門前町で3グループに分かれ活動しました。8時に朝礼を行った後、ブロック塀壊し・がれき撤去、ブロック塀崩し・耕運機をがれきから出す作業、家財出しのグループに分かれて活動をしました。夜は、ボランティアの方々と食事をしながら色々な経験談を聞いたり、「広域支援ベースにしぎし」を作った災害NGO結の代表トムさんと話す会に参加し、災害支援の必要性について学びました。

 

3日目は、能登町白丸地区と輪島市町野町に行く2グループで活動しました。白丸地区のグループは、津波で流されてきた物を分別し災害ごみとして回収所まで持っていく作業を行いました。
町野町のグループは、田畑の草刈りをした後、家の1階部分が潰れてしまった家屋の貴重品・家財出しの作業を行いました。最後には、待合所で行われていたサロンに参加し、ボランティアの方や現地の方とのコミュニケーションをとりました。

 

Q.災害ボランティアを経験して学んだことは?

災害ボランティアは、「被災した方のために活動すること」だけではなく、「災害ボランティアに参加する人のサポートや支援も必要不可欠である」ということでした。

 

また、経験豊富な方々との交流を通じて教わったのは、「普段から防災意識やスキルを高めることがいざという時に活かされる」ということです。災害ボランティアに参加する前と後とではかなり意識が変わりました。実際に災害ボランティアの経験をしてみて、「水がないと生活するのが困難」だと思い、5年間保存できる非常用飲料水を購入し自宅に備蓄しています。

 

Q.今回の経験を今後どのように活かしていきたい?

私もそうでしたが、世の中の多くの人が防災意識を持っているけど、自分ごとにするのは難しいです。でも、日常の集団の中に災害ボランティアなどの経験をした人がいると集団の意識も変わってくると思うので、今回の災害ボランティアの活動を活かして、呉ボランティア部のメンバーや周りの人たちに経験を伝えていくことが今後のミッションです。
6月22日(土)と7月6日(土)には、IMAGINUSが主催する能登半島地震ボランティア報告会で、活動成果を発表します。

 

今回の災害ボランティアでは、色々な支援・活動を行いましたが、最も大切なのは、被災者の方に寄りそうことです。私は、ヒロコクで「ひとに寄りそえる薬剤師」をめざして学んでいますが、今回の経験は、将来、患者さんと接していくうえでも活かされると思います。

 

【活動の様子】



 

【ボランティア活動報告会について】