2月22日(水)にノースカロライナ大学(米国ノースカロライナ州、以下UNC)薬学部との合同研修会をオンラインで実施しました。

今回の合同研修会のパートナーであるUNCは、米国において先進的な薬学教育を行うとともに、スポーツや研究において優秀な学生、研究者を多数輩出している大学です。本学薬学部はUNCと提携を結び、UNC内での講義に加えてUNC付属病院及び付属薬局で継続的に国際実務研修を実施しています。今年度は、新型コロナウイルス感染症の影響で実施できなかった現地での研修に代わり、オンライン上でシナリオに基づいた症例検討会を実施することになりました。

 

症例検討会には、薬局や病院での臨床実習を終えた5年生と臨床実習に向けて学修中の3年生の計5名(中平さん、野口君、植木君ほか)とUNCの学生3名が参加しました。症例は消化性潰瘍、関節リウマチ等の疾患を有する患者さんであり、患者さんの訴え、腎機能をはじめとする様々な検査値から患者さんに生じた問題を整理し、科学的根拠にもとづく新たな薬物療法を提案するというものでした。UNC薬学部准教授Dr. Williamsからの質問に対して、本学の学生が自らの提案を英語で発表した結果、Dr. Williamsから“Exactly”と高い評価を受けました。

 

研修を終えた学生の皆さんからは、

「現地での研修の実現は叶いませんでしたが、同じ症例について他国の学生と意見交換を行えた事は大変貴重な経験となりました。一つの疾患をとっても日本と他国では用法用量や基準、着眼点が全く異なり、症例検討会を通して更に視野が広がったきっかけとなりました。」

「症例検討という普段の授業では、行わない形式で大変勉強になりました。また、本番への準備でもガイドラインや添付文書を調べて話し合うことで、いろいろな知識が身につきました。とにかく発言をすることが大切だということもわかりました。」

「普段味わえない現地の授業の雰囲気が感じられ、とてもいい経験ができました。機会があれば、UNC研修に参加したいという気持ちが強くなり、いい刺激を受けました。」

「軽い気持ちで参加してみましたが、Dr. Williamsのサポートのおかげもあり、楽しく現地の雰囲気を感じられ、とてもいい経験になりました。」

「国際症例会議を経験して臨床現場での薬の選択の方法や海外との治療の差異を知ることができました。また、自分自身の考えを補足する資料探しができて良かったです。英語は他の方に任せきりになってしまいましたが、それも含め良い経験になったと思います。」

といった感想をもらいました。

薬の専門家ではなく責任者として自分自身の答えを出す訓練ができたこと、文化の大きく異なる他国の薬学生の意見や思考を目の当たりにしたことは、薬学生として学修し、薬剤師として個々の患者さんに最適な薬物療法を提供していく上で、大変貴重な機会になったものと思います。来年度はUNCでの現地研修を開催できるよう、学部としてしっかり準備と調整を行っていきます。