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心理臨床センターとペアレント・トレーニングについて広国広げ隊(学科広報)がお話を伺いました

2025年2月25日

広国広げ隊(学科広報)で、心理学専攻(博士前期課程)臨床心理学コースの学内実習施設である心理臨床センターを訪問し、ペアレント・トレーニングについてお話を伺いました。インタビューにご協力いただいたのは、心理学科の羽山順子先生、大学院1年生の中村風太さん、永田亜依さんです。

 

  • はじめに広島国際大学心理臨床センターについて教えてください。

広島国際大学心理臨床センターは、2002年に広島キャンパスに開設され、2020年には呉キャンパスに移設されました。このセンターの設置目的は2つあります。1つは、学生の実習の場として、また臨床心理学に関する研修、研究、調査の場を提供すること。もう1つは、地域社会の成長発展を支援し、国内外の教育研究の推進に寄与することが挙げられます。

このセンターは地域社会への貢献を目指し、学生に実践的な学びの場を提供し、心理的支援が必要な人々へのサービスを通じて、地域と密接に連携して活動しています。

 

  • ペアレント・トレーニングについて高校生や学部生に説明をお願いします。

ペアレント・トレーニングとは、子どもを対象にした訓練ではなく、保護者を対象にしたトレーニングです。子どもを育てる間には多くの困りごとが起きます。困りごととは、ご飯を食べてくれない、言うことを聞いてくれない、ゲームを止めない、宿題をしないなど、さまざまです。このようなときの適切な子どもへのかかわり方を親御さんに身に着けてもらうためのプログラムが「ペアレント・トレーニング(ペアトレ)」です。広島国際大学のペアトレは肥前式親訓練(HPST)を基にしていて、行動療法の一種である応用行動分析と強化法を詳しく保護者に教えています。

日本におけるペアトレは1990年代に始まってから20~30年ほどの歴史があり、実際に効果が認められています。ここ5年間で、厚生労働省も悩める親御さんに役立ててもらうためペアトレを全国的に推進しています。

しかし、ペアトレを受けられる場所は多くの相談機関が集まる広島市内に集中しており、東広島~呉周辺でペアトレを受けられる場所が不足しています。この問題を解決するために、地域住民に役立つ相談機関を設けることが広島国際大学心理臨床センターの役割となっています。また、ペアトレを実施できる未来の心理職を育てることも、大学の付属機関である心理臨床センターの重要な役割です。

 

  • 広島国際大学のペアレント・トレーニングはどのような特徴がありますか?具体的な構成も教えてください。

子どもの能力や特徴にしっかり合わせたプログラムにするため、広島国際大学(広国)のペアトレは、ペアトレ開始前に2回、親子でセンターに来ていただきます。その中で保護者に子どもの発育状況を聞いたり、子どもが遊んでいるところを行動観察したり、心理検査を受けてもらいます。

広国のペアトレは全7回で1クールとなっています。各回2部構成になっていて、第1部では30~50分の講義を行い、第2部では前の週に行ってきた宿題(子どもに身につけてほしい行動を決め、親との関わりと子どもの反応を記録してくる)を振り返りながら、翌週の宿題を決めます。

時間は全体で、2時間程度です。形式は集団心理療法になっており、複数名の保護者(3組まで)と相談研修員(大学院生)および指導相談員(教員)が参加します。第2部では全員でアイデアを出し合い、翌週の宿題をうまく達成するにはどうすれば良いか、作戦会議を行います。

また、ペアトレに参加する相談研修員は、予め13〜15回の講習を受け、事前にペアトレについて学んでおきます。

 

  • ペアレント・トレーニングを行う場所、どこで申し込みができるのかを教えてください。

申し込みは電話で受け付けています。お申込みからご相談までの具体的な流れは、以下のURLからご確認いただけます。

https://www.hirokoku-u.ac.jp/profile/facility/ps_center.html

開室時間は月・火・水・木・金・土の10時~18時で、料金は、初回が6500円(初回面接3,500円+心理検査3,000円)です。その後行われるペアトレのセッションは2000円×7回です。

 

 

  • 学部生高校生に一言お願いします。

心理職を目指している皆さんには、ぜひ体力をつけていただきたいです。人に寄り添い、その心に向き合う仕事には、自分自身に心の余裕が必要です。その土台になるのは体力です。また、辛い話を右から左へ受け流すのではなく、受け止めて辛さを分かち合うことが心理職には求められます。そのためにも、心身ともに健康であることはとても重要です。ですので、心理職を目指ざす方は、ぜひ日々の体力づくりからはじめてみてください。

 

広国のペアレントトレーニングで行っている講義内容

講義内容(テーマ)

1回:行動療法の考え方、ペアトレとは何か
2回:行動観察と記録の方法
3回:望ましい行動を身につけるには
4回:できない時の手助けの仕方
5回:環境の整え方
6回:困った行動を減らすには
7回:外出先での工夫・対処法

 

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