教育×人 -リレー・エッセイ48-

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「百見は一体験にしかず」。

講師 井口 裕介

博士(薬学)、薬剤師、
臨床検査技師、第一種放射線取扱主任者

専門分野:生物系薬学

「やってみせ 言って聞かせて させてみて ほめてやらねば 人は動かじ」。山本五十六の言葉が示すように 教員は、学生よりも率先して、ひとつのことだけでなく、いろいろなことに真摯に取り組むべきだと考えています。私の専門である生化学は、生き物のからだの仕組みや構成成分など、目に見えないミクロなことについての  学問ですから、ピンとこない学生もいます。聞いているだけの座学では眠くなってしまうことが多いのです。そこで、例えば、DNAやタンパク質などの模型を作成して、物質をイメージできるようにしています。加えて、板書の タイミングや量に注意しながら、学生には程よくノートをとってもらっています。また、卒業研究に取り組む学生たちには、とにかく自分で手を動かすことを優先してもらっています。試薬のにおい、実験器具の触感などは、実際に触って使ってみないとわからないものです。怪我をすることも十分ありえますが、いろいろなことを経験してほしいと思っています。「百聞は一見にしかず」ということわざがあるように、「百見は一体験にしかず」という考えゆえです。

一般的に、子どもの頃は好奇心旺盛で「なぜ?」「どうして?」とたくさん質問していたのに、中学生から高校生くらいになると、あまり疑問に思わなくなります。もしくは、疑問があっても質問しなくなる人が多くなるように感じています。医療現場では一つの「なぜ?」が、とても大切。一人もしくはそれ以上の患者さんの命を救うこともあります。このエッセイを読んで下さったみなさんには、いろいろなことに疑問を持ってその疑問を解決する努力をしてほしいと心から願っています。

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