教育×人 -リレー・エッセイ-

出来ないと思っていることも、いざやってみると出来てくる。

講師 田中 満崇

博士(薬学)、薬剤師

専門分野:環境衛生学

人間もノミも、思い切って、大ジャンプ

過去の自分は変えられませんが、未来の自分は、その目標や道標があれば、どんなに時間がかかったとしても、到達できる、変えられると思います。そのたとえにノミのお話があります。ノミという動物は、その体の何百倍以上もの高さまでジャンプすることができるそうです。しかし、ある実験で天井を作ってしまうと、天井までしかジャンプ出来なくなるそうです(天井をなくしても)。ノミは、天井にぶつかると痛いから、ぶつかりたくないと(同じ挫折はしたくないと)思って、高く飛ぶのをやめてしまうようです。しかし、高く飛べるノミを一緒に居させると、大きくジャンプ出来なくなっていたノミが、また高く飛ぶことが出来るようになるそうです。人も同じで、出来ないと思い込んでしまうと、せっかくその人が持っている能力は発揮されないままになってしまう。つまり、自分の可能性も同じです。そこに、一緒に飛ぼうとしている仲間やできる人がいると、自分も出来るのではないかと思うこと(チャレンジしてみること)が出来てきます。もちろん必ずしも希望の未来へ到達できるかはわかりませんが、その努力を続けていけば、いつか到達できるのではないかと思います。私自身もそうでした。こうなりたいと願い続け、コツコツ前に向かって進むことで希望の道へ近づける。人間は、知りたいことや、やりたいことがそこにある時、その欲求を満足するために努力を惜しまない動物です。私は教員とは、学生がそのやりたいものを見つけ、その気持ちをくみ取り、道標となり、必要な時にサポートする存在であるべきと思います。私は、ジャンプしようとしている学生さんを未来の医療を支える人材へ導いていきたいと思います。

健康を維持し、未然に病を防ぐには、環境が大事!!

薬学は、薬の重要性や有効性や有害性について勉強し、薬を介して疾病治癒・予防を求めている人に的確に投薬し、効果を感じてもらうだけではありません。他にも薬に頼らないで、どうやって健康を維持・増進していくのかも学べる領域もあります。ひとを含めた生物の健康(生命)を維持していく環境作りやその環境を提供してくれている地球への影響についても学びます。地球環境が乱れると、我々の生きる環境にも大きな影響を与えます。また、病を未然に防ぐにはどうしていけばよいか、これも日々の生活環境がとても重要なのです。

大学はワクワク感の共有とひとの心に届く医療のために

私は、自分の理想(希望)へ到達の為に、出来ないと思わず、やってみて(大ジャンプして)欲しいと願っています。そうすると、思いがけず理想とする自分へ近づけているという満足感やワクワク感を得られるかもしれません。私は、その感覚を一緒に共有出来たら嬉しい限りです。そして、どうしたら病を未然に防げるのか一緒に考え、ひとの心に届く医療へと繋げていきたい思います。今のチャレンジが、未来の自分や他の誰かへと繋がってる。そのために出来ないと思わずに「まずは、やってみよう」。

ページのトップへ戻る