教育×人 -リレー・エッセイ48-

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学生の将来ビジョンを共有し、
寄り添える教員でありたい。

助教 山下 ユキコ

博士(薬学)、薬剤師

専門分野:創薬化学

厳しく。時には、フランクに。指導に、メリハリをつける。

教員は、その立場や職階によって、学生ととるべき距離感は異なると思います。学生と教員は友達ではありませんし、そうあってはいけませんが、かといって目の前にすると委縮してしまうような関係も望ましくないと思います。厳しく、そして時にはフランクに、メリハリをつけた指導をするためには、十分な信頼関係を築く必要があり、常に声をかけ、コミュニケーションを取る姿勢がとても大切だと考えます。

女子学生たちの身近なモデルケースでありたい。

私は、女性教員であると同時に、未就学児を抱えて働く、いわゆるワーキングマザーです。将来を考え始め相談に来てくれる女子学生の中には「将来結婚して家庭も持ちたい」という考えを持つ学生もいます。家事と家庭の両立に不安を抱き、就職における将来の選択肢を自ら狭めてしまう学生も多く見受けられます。ですが、6年間もの年月をかけ、たくさんの人に支えられて多くを学んだ彼女たちが、自らの選択肢を早々に我慢し狭めてしまうことは、とても、もったいないと思っています。学んだことを存分に活かして、やりたいことをやってほしというのが、私の願いですし、そのように指導しています。ですが、そう言っている自分自身も、雑誌に載っているようなスマートなワーキングマザーとは程遠く、朝はグズる子供を抱えて保育園に送り、子供を叱っているところを目撃され、常に時間に追われてバタバタしているなんとも情けない姿を露呈しながら、試行錯誤の中で奮闘している毎日です。ですが、そのような姿が逆にリアリティがある(私でもできるかも?と思ってもらえる)ようで、「私も将来仕事と家庭を両立して頑張ってみたい」「研究職についてみたい」「選択肢を狭めず、やりたいことにチャレンジしたい」など、学生から温かい言葉をかけてもらえる機会も増えました。“諦めずに欲張る”姿勢を身をもって実践することで、彼女たちの身近なモデルケースになれるよう今後も努力していくつもりです。女性教員だからこそできる、女子学生との将来ビジョンの共有を積極的に行っていきたいと思っています。

ポジティブにとらえれば、伸びしろは大きい。

大学に入り専門的な学習内容が増える中で、勉強に苦手意識が強い学生は、その苦手意識が先行してしまい“いつのまにか分からなくなってしまっている”傾向にあるような印象を持っています。いざ遅れを取り戻したくても、「こんなこと今さら聞けない」「できないことが恥ずかしい」などの気持ちが勝り、次第に机から足が遠のくようになります。ですが、「今さら聞けない」という気持ちは、「わからないことを解決して前に進みたい」という気持ちの裏返しであり、「できないことが恥ずかしい」というのは「できるようになって前向きに取り組みたい」という気持ちの裏返し。素直な気持ちを持つ学生は、たとえ現状成績が芳しくなくとも、十分に伸びしろがあるように思います。そのような学生が、もし自分を頼ってくれるようなことがあれば、まず、現状を整理し、自分の状況を受け入れるところから始め、何が、どこから必要かをさかのぼって考えられるよう寄り添いたいと思います。再スタートすれば、理解できた、問題が解けたという1つ1つの小さな成功例は自信となり、積み重ねた達成感が、将来『人に寄り添う』医療人になるための貴重な経験になると思います。

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