多くの信頼を集め、多くの仲間に囲まれながら活躍する薬剤師を育てたい
博士(医学)、薬剤師、医療薬学指導薬剤師、精神科専門薬剤師
専門分野:医療薬学、臨床薬学、精神薬学
いつのことか覚えてはいませんが、かつて見聞きした言葉の中で印象に残っているものがあります。
「白や赤や黄色など様々な色を持ち、自身の健康を維持するためとはいえ、副作用も考えられる薬を患者さんが使っていく。医療従事者はそんな薬を処方し、調剤し、説明し、患者さんに届ける。医療従事者や患者さん自身も無意識かもしれないが、途方もない信頼関係がないとできない。」
おそらく言い回しは少々異なっていたと思いますが、今でも忘れられない言葉の一つです。
信頼される薬剤師とはどんな薬剤師なのか。様々な教えの中で、漠然と信頼される薬剤師になりなさいと言われることが多々あるのではないかと思います。どうすれば辿り着けるのか、考えるだけでは難しいです。ただ、私自身の経験からハッキリとした一つの想いがあります。病気や薬の知識を身に付けていくのは当然です。それに加え、決して独りよがりにならず患者さんやそのご家族、仲間の医療スタッフがなにを必要としているのか、なにを求めているのか、それらを常に意識して、それに応えるべく行動に移すことが大切です。その思考回路を持ち、行動を実践していけば自然と多くの信頼が集まり、多くの仲間に恵まれるはずです。言葉で言うのは容易いですが、簡単なことではありません。
学生時代から家族、友人、先輩、後輩を大切にすること、それらの人たちに加えて教員や職員、はたまた日常生活で出会う人達と多くのコミュニケーションをとり、様々な考えに触れることが将来に必ず役立つはずです。人との出会いを大切にしてください。
学生生活において薬学部は学ぶべきことも多く、苦しく、時には思い悩むこともあると思います。私自身の大学生活はとても自信を持って人に紹介できるようなものではなく、自身の甘い考えのもと楽しいと言えば楽しい生活を送っていましたが、学業の面では苦しい経験が多かったです。
そんな苦しい時もやはり助けてくれたのは家族、友人、知人など周囲の人達でした。一人の力では決して今の人生を歩めていません。そんな経験もあり、現在の教員という立場、そして一人の先輩薬剤師としても苦しいことを共に乗り越え、楽しい経験を共有し、学生の皆さんが明るい未来に進んでいく手助けをしていきたいと考えています。薬剤師が活躍できるフィールドには医療現場はもちろんのこと、その他にもたくさんあります。
薬剤師は社会からの大きな期待に応えることができる無限の可能性がある資格だと思います。学生の皆さんが将来、様々なフィールドで人生を楽しみながら活躍する姿を見ることを夢見て、自分自身も成長を続けながら、指導していきます。