教育×人 -リレー・エッセイ-

考える力を養うこと、
「薬のプロ」になる第一歩です。

助教 清家 総史

博士(薬学)、薬剤師

専門分野:細菌学

「考える」過程に教員として、寄り添う。

私は、「考え方」が身につくような指導を心がけています。例えば、卒業研究をしていて、予想とは異なる現象が目の前で起こったとします。その場合あなたならどのように対応しますか?このように、教科書に載っていないことに対応することが、「考える」こと。そして、「薬のプロ」になる第一歩です。

「考える」という過程には、より専門的な論文や専門書を検索して情報を収集したり、自分で仮説を立てたり、友達や先生と話し合って見識を深めたりと、様々な方法があります。ですので、実際に学生がわからないことに直面した時、学生には直ぐに答えを教えず、自分なりに目一杯調べてもらいます。それでも、調べる手段や知識に限界が出た時、その時初めて調べる方法を教えたり、キーワードの解説をしたり、軌道修正をします。答えを教えるのは極力最後にしています。始めは時間はかかりますが、反復することでどんどん効率的になり、自分の「考える方程式(流れ)」ができます。この過程こそが、学修、さらには、臨床の場でも活きてきます。学生がこの大切な過程を経るとき、私は、寄り添い、サポートし、学生の能力や考えを引き出し、最終的には任せられる(自立できる)ことを目指して指導を行っています。結果として、学生が能動的に自分で考えることができるようになり、勉強や実験など専門的なことのみならず、学生の将来を豊かにできるよう手助けできればと思います。

学生にポジティブな影響を与えられる存在でありたい。

薬剤師は、職域が非常に広く様々な分野で活躍できます。要は、自分が頑張れば頑張るほど、選択肢が広がり、なりたい職業に就くことができるやりがいのある職業です。また、薬剤師は「人」と関わる職業なので、勉強だけでなく、大学では様々な人と関わりを持って、遊びや社会経験も大事にしてほしいと思います。大学生活は6年と一見長そうではありませんか。しかし、やらなければならないことが多く、あっという間です。どういう薬剤師になりたいか、志を持って、有意義な大学生活を送ってもらえたらと思います。

大学では研究がありますので、教員が学生と接する時間が長いです。接する時間が長い分、教員として、何でもいいので学生にポジティブな影響を与えられる存在でありたいと思います。卒業研究に対してのみでなく、趣味でも人としてでも、価値観でも何でもいいです。何かしらプラスの影響を与えられ、学生が実りある学生生活を送れるようにサポートできたら教員として嬉しいです。

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