教育×人 -リレー・エッセイ-

新次元の薬剤師が、
診療現場で異次元の活躍をすることを夢見ています。

教授 中島 正光

博士(医学)、医師

専門分野:漢方医学、内科学、呼吸器学、
感染症学、アレルギー、病理学

ひとりひとり異なる多様な学生を
これからの医療を担える薬剤師に。

薬剤師は病院、薬局、地域医療の現場により深く入り込み、患者の状態・病態把握を行い、患者の治療を行なうチームの一員としての役割を果たします。さらに、医療を円滑に行なう担い手にもならなければなりません。その役割を果たすために、私は、医療現場で行なわれている患者の病態把握や薬剤治療の実際を想定した指導を心がけています。

学生は多様で、様々です。教員は、常にひとりひとり異なる学生に柔軟に対応することを考え、自分自身の知識、技術の向上に努力する必要あります。これからの医療を担う素晴らしい薬剤師になってもらうことが目的ですから、教員自らも、そのために努力すべきです。本学の将来像に掲げているように、本学が学生および教職員ともにしあわせになる学び舎となることが望ましく、そのような関係性がもてればと思いますし、重要であると心より思っています。

病院の外来で
薬剤師が、病態把握・治療支援する未来へ。

授業は、実際の臨床現場で実施されている内容を、臨場感を持って伝え、実践的になるように考えながら学生に興味を持ってもらえるようにしています。授業外でも、学生と研究会をつくり、病気の見方や病態把握の仕方などを実際の事例を考えながら学習する時間を設けています。

私の担当する漢方では、医師の関与なく薬剤師が患者を直接治療できる漢方薬局を開業できます。薬剤師は自ら患者の話を聞き、患者の病態を把握し、漢方薬を決め、そして直接、患者に渡し、治療効果を判断します。そして、効果に応じて漢方薬の変更、中止などを行なうのです。この知識、技能レベルを高めることが、かかりつけ薬剤師、セルフメディケーション、在宅医療に役立つと信じています。また、漢方において、薬剤師が病態把握し、治療支援を病院の外来でおこなうことを夢見ています。

薬剤師は、いままでの業務と異なる次元へと進んでいます。

診療報酬が改定され、薬局における「かかりつけ薬剤師」が重視されるようになり、患者の薬の効果や体調の変化などを判断するようになっています。さらに、薬剤師は患者自身が行なうOTC医薬品による治療のアドバイスや健康増進・疾病予防活動などを行なうセルフメディケーション業務、副作用発見のために行なう診察技術、血液検査、生理機能検査などの検査値の理解、患者の状態・病態把握などを行なうように変わってきています。そして在宅医療にも薬剤師が関わるようになっています。薬剤師はいままでとは異なるバージョンへと変化して行っていますし、そのような道筋が提示されているのです。

患者への指導、医師への提案などを行なう、患者の状態・病態把握、薬剤治療に関わる知識、技能を持つ薬のエキスパートとなる職業です。さらに、薬剤師はその知識、技術を活用し、研究分野、営業分野、会社経営など数多くの選択肢をもつ職業でもあります。是非、心を熱くし、希望をもって薬剤師を目指してください。薬剤師は、いままでの薬剤師業務と異なる次元へと進んでいます。

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