教育×人 -リレー・エッセイ-

目的地だけではなく現在地を知ること。

目的地だけではなく現在地を知ること

薬学部は多岐に亘る分野を学習する為、学生の皆さんは日々の学習が大変なことかと思います。全ての分野、科目が得意である方は非常に稀で、多くの方が不得意な科目があることでしょう。そんな時はまず自分の「現在地」と「目的地」を把握してみて下さい。何が理解出来ていないのかという「現在地」と、いつまでに、どこまでの理解が必要なのかという「目的地」を把握することで、進むべき「道」が見えてきます。ここまで出来たらあとは突き進んでいくだけです。
卒業後も不得意なことに取り組まねばならない状況は必ずあります。そんな時、皆さんの乗り越えてきた不得意達が力を与えてくれるでしょう。

薬剤師の活躍の場は皆さんが切り拓く

薬学部の皆さんは実習や卒業研究、国家試験対策等、取り組む課題が多く忙しい日々を過ごすことでしょう。では卒業後の進路について考える時間は確保出来ていますか。また、皆さんはどのような薬剤師の活躍の場を思いつかれますか。たくさん思いつく人もあまり思いつかない人もおられることかと思います。病院や調剤薬局、ドラッグストア、製薬会社、医薬品卸販売、治験関連など本当に多様な業界で薬剤師としての技能、知見を活かして活躍しておられ、ここには到底挙げきれません。
薬剤師国家試験は「目的地」であると同時に新たな「出発地点」でもあります。薬剤師国家試験は皆さん共通の「目的地」ですが、卒業後の「目的地」は皆さん一人一人で探してみて下さい。薬剤師国家試験は選択肢と解答があらかじめ用意されていますが、皆さんの進路には選択肢も解答もありません。まだ誰も考えつかないような薬剤師の活躍の場へと続く「道」を皆さんの手で切り拓いて下さい。