教育×人 -リレー・エッセイ-

1日15分間 読書のすすめ。

教授 森 信博
薬学博士、薬剤師
専門分野:薬剤学

2019年末に中国において発生した新型コロナウイルス感染により世界中がパニックに陥りました。人々の行動は制限され、経済的にも大打撃を受け、現在でも繰り返す変異株の出現に悩まされ続けています。しかしながら、コロナ禍で生まれた新しい革新的な技術も数多く、オンラインシステムの充実などによる経済活動の効率化や医療の分野では、今までの経験からでは考えられないスピードでワクチンや新薬が開発されてきています。

広島国際大学も、皆さん達の高校と同様に感染拡大防止のために対面授業が制限され、急きょ遠隔システムの授業を取り入れなければならず、教員・学生ともに手探りの状態が続きましたが、ようやく両方法のメリットを生かした教育環境が整ってきています。

私から大学生になるみなさんに要望することは、本でも電子図書でも構いませんが1日に15分間でも「読書する習慣」を身につけてほしいことです。人間は本来、好奇心の旺盛な生き物なので、書物から知識を得る喜びは格別で、時には孤独な心を癒し、次へ進むヒントを与えてくれます。
今日の状況を受け、医師や看護師をはじめ薬剤師の業務も大きく変化してきています。今後は、在宅医療を含む患者さんの病気の状態を考慮した薬物治療がますます重要になってくるものと思います。皆さんもそれを担う医療従事者になることを人生の選択肢の一つに入れてくれたらと思います。

最後に私の好きな先人の名言を紹介します。「なすべきことをなす勇気と人の声(生の声や書物から)に私心なく耳を傾ける謙虚さがあれば、知恵はこんこんと湧き出てくるものです」

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