2021年4月

静岡県立大学(鈴木隆、高橋忠伸、南 彰、紅林佑希)と広島国際大学薬学部(池田潔、大坪忠宗)の共同研究の成果が、
Scientific Reportsに掲載決定されました。
Enhancement of elastin expression by transdermaladministration of sialidase isozyme Neu2.Scientific Reports, 11, 3302(2021).
本研究の主な研究成果は次の通りです。
 肌にはエラスチンと呼ばれる弾性繊維があります。このエラスチンは年齢と共に減少し、皮膚のたるみの原因となります。我々は糖鎖分解に関わる酵素シアリダーゼについて、酵素活性を組織上でイメージングできる高感度蛍光プローブBTP3-Neu5Acを開発しました。BTP3-Neu5Acで皮膚組織を染色すると、真皮に強いシアリダーゼ活性があることが分かりました。興味深いことに、真皮におけるシアリダーゼ活性は老化に伴って著しく減少します。そこで、タンパク質輸送基剤CAGEを利用してシアリダーゼを経皮的に真皮に送達すると、老化皮膚のエラスチン量を増加させることが分かりました。コロナ禍においてスキンケアに対する関心が高まっています。本研究成果は、エラスチン産生促進による新しい作用機序を持ったスキンケア製品の開発に利用できると期待されます。